クリニック経営を考えるときに気をつけたいのが経営のための数字の着眼点です。経営で一番最初に注意しなければならないのは固定費です。固定費の代表である人件費の考え方や分析法について詳しくご紹介いたします。
目次
１まずは開業地域の人件費を調べる
開業している地域の平均的な給与を調べるというのは非常に重要な着眼点です。経営を考える上で、一部の経営者は自分がこれまで受け取って来た給与をもとに賃金を計算することがあるのですが、このように賃金を計算していると開業地域との格差が生まれうまく人を集めることができなかったり、望んだような人材を確保できない状態に陥ってしまいます。
しっかりと経営を考えるためには開業地域の賃金の特徴をしっかりと抑え、どのように人を集めるといいのか分析していくことが重要なのです。
２ 人件費分析の抑えたいポイント
人件費を考える時にはまず企業の収益に対して人件費がどのように対応しているのかを調べておく必要があります。適切な金額に設定できるように、人件費について調べることが重要です。
・一人当たりの収益
まずは一人当たりの収益を調べることから始めると人件費の設定が容易になります。現在通院されている平均的な患者数と一人のドクターが対応できる患者の数を考え、１日あたりの人件費を算出するとだいたいの目安を決めることができます。これからクリニックの規模を大きくして経営拡大を狙う時には必須の着眼点です。
・労働分配率
労働分配率は生み出した利益に対してどれだけの人件費と時間が咲かれているのかを考える指標です。
経営の効率を考える時にこの労働分配率を抜きに考えることができないので、しっかりと労働分配率を調べて検証することが必要です。
３ 分析を活かして経営を改善する
分析結果をいいかして経営を改善する前にしっかりと注意しておきたいのが給与を途中から変更するのは非常に難しいということです。給与を途中から変更するためには労働者本人との合意が必要になり、特に給与を減額しなければならない場合には注意が必要です。
労働者にとって給与の減額というのは非常に精神的に負担になるもので、いくら経営の都合があると言っても納得を得られるとは限りません。労働者が納得のいく給与を得てこそ経営が成り立つので、給与を途中から変更することが無いように、あらかじめ雇用する段階でしっかりと計画を立てておくことが求められます。
スタッフも経営者も納得のいく働き方ができるように、雇用条件についてしっかりと考えておきましょう。
