勤務医の数は近年減少傾向にあり、診療科によっては勤務医不足で病院の経営に大きな打撃が走っていると言われています。勤務医の現象がなぜ起きるのか、を理解しておくとこれからの病院の開業や、病院の経営に役立ちます。しっかりと理解をしておきましょう。
目次
1近年問題になる医師の減少
近年になり問題として指摘されているのが医師の減少問題です。特に勤務医の数が不足していることが指摘されていて、勤務医が不足している診療科では一人医長と呼ばれる一つの診療科に一人の医師しか居ないような非常に大変な勤務状態が続いているのです。
このような勤務の状態が続くことで医師の激務がさらに悪化し、ひどい場合には過労死や自殺などの様々な問題を引き起こすことが知られています。このような勤務状態を改善できるように、しっかりと医師の働きかたに注目するようにしましょう。
2医師の減少は診療科によって変わる
医師の減少は診療科によって特に顕著に現れる科があることが知られています。近年問題になっているのが外科です。他の診療科ではドクターの増加が見込まれる中、外科だけがドクターの現象に歯止めがかからず、後継者育成や勤務医の労働時間の長期化など様々な問題を抱えています。
この他にも、少子高齢化の煽りを受け、小児科や産婦人科は医師の数の不足がいまだに指摘されています。近年では産婦人科医師の数が以前よりは改善したとの報告もありますが、いまだに十分な数の医師を確保できている訳ではありません。訴訟の問題などが起こりやすい診療科なので、どうしても産婦人科は避けられてしまいがちですが、開業している産婦人科のクリニックなどは非常に高い業績を挙げられている場合もあり、経済的にも魅力がある診療科だと言えます。診療科による医師の偏在にも注意しながら医師の数をコントロールしなければいけないのです。
3近年は開業に人気が集まっている
近年では勤務医の激務が原因で、開業医に人気が集まりつつあります。開業医は時間的な余裕があり、収入も非常に大きい職業なので、近年では開業医の数が過半数を超え、開業をサポートする企業も続々と現れてきました。今後AIが医療の世界に台頭することで医師の働き方が徐々に変わっていくと指摘されています。これからの時代の新しい働き方をしっかりと模索するためにも、勤務医としての働き方と開業医としての働き方の両方をしっかりと見据え、自分にあった働き方を考えるようにしましょう。