医師というのは非常に重い責任を担って働く存在だといえます。医師としての責任というのは非常に様々で、働く施設によって責任の程度が変わって生きます。しっかりと医師の責任の多様性について理解を深めておきましょう。
目次
1勤務医の責任
勤務医というのは医師として働く上で責任の性質が非常にわかりにくいものでは無いでしょうか。医師として勤務をして居るので、所属している機関が責任をとるべきなのか、この責任所在をはっきりとさせることが難しく、医師としてどこまで責任をとって治療に当たるのか難しい判断が求められます。
法的には診断や具体的な治療を行った時にはその治療に当たった当事者が責任を負うことになり、民事責任と刑事責任の両方に渡って治療に当たった医師自身が責任を負うことになります。
病院側の管理責任を問う場合もありますが、なんらかのトラブルが起こった際に病院側にまでどれだけの責任があるのかは病院の管理体制や病院の指示の有無など様々な要素が存在して居るのかを確認しなければならず、常日頃から働いている環境について分析しておくことが非常に重要です。
2開業医の責任は非常に重い
開業医の責任は非常に重いもので、通常の勤務医以上の責任を負う事になります。まず、経営を行い医院を主体的に運営して居る存在なので、通常の勤務医よりも診療に対して負う責任が大きく、責任所在が明確な分、刑事責任や民事責任が非常に問われやすい存在といえるでしょう。
このため、クリニックの経営者はしっかりと保険に入っておくことが重要で、医師が加入できる訴訟費用や民事賠償責任に対して常に注意しておきましょう。
3訴訟には要注意!
医療訴訟というのは誰しも経験したいものでは無いでしょう。医療訴訟が起こった時には誰に責任があるのかという責任所在の明確化から始まります。個人開業のクリニックで行われた治療や、勤務医が単独で、なおかつ独断で行った治療の場合には治療を行った医師の責任になり、訴訟のリスクを負うといえるでしょう。実は事前の契約書などで、トラブルが起こった際に訴訟などの手段を講じないと契約をしたとしても、その契約内容の正当性に問題があり、治療でトラブルを被った場合には訴訟は起こるものと考えておくと良いかもしれません。
医療訴訟において、明らかに医師や病院に責任がある場合にはたとえ書面で慰謝料請求をい行わないと記載してあっても実質的にこの契約を盾にして身を守ることはできません。責任所在について常に気を使い、トラブル回避に役立てるようにしましょう。