MS法人で不動産を取り扱う場合気を付けるべきポイント


MS法人では、医療法人ではできないさまざまな業務を行うことできます。
その1つに不動産の取扱い業務が挙げられますが、場合によっては税務否認されてしまう可能性があります。
今回はMS法人で不動産の取扱いを行う場合に、税務否認されないように注意すべき点について解説します。

目次

MS法人で不動産の取扱い業務を行うことの目的を知っておこう

医療法人を経営する方の中には、MS法人で行うメインの業務を不動産の取扱いとしているところも多くあります。
病院や医療法人がMS法人で不動産の取扱いを行う主な目的は、利益の分散です。
MS法人が医療法人の利用する不動産を取り扱うことで、医療法人からMS法人に資金が移り、利益が分散されて所得税を節約できるのです。
ただMS法人で不動産の取扱いを行って節税をしようと考えても、税務否認されてしまう場合があります。
税務調査でMS法人への支払いが税務否認され、それに納得いかなかった医療法人の代表が裁判を起こすという事例は少なくありません。
特に、MS法人の不動産の取扱いに関する裁判事例は非常に多いです。
MS法人に支払う管理料が高すぎたり、MS法人の仕事量と支払われる管理料が釣り合っていなかったりというケースは往々にしてあります。

MS法人で不動産の取扱い業務を行う場合に税務否認されないコツ

財務否認されないためのコツとして挙げられるのは、まずMS法人を法人として成り立たせることです。
例えば、医療法人が保有している不動産をMS法人が管理し、業務の一部を外部の業者に委託するとします。
この外部業者への委託自体は問題ありませんが、医療法人がそのまま直接外部の業者に依頼してしまうと、MS法人が存在する意味がなくなってしまいます。
不動産の取扱いを行うことを目的としてMS法人を設立したのであれば、必ずMS法人を介して外部業者への依頼・委託をしなければいけません。
税務否認がされやすいケースとして、“MS法人の実体がない”というケースが挙げられます。
もし財務調査の際に、MS法人が不動産の取扱いを行う法人としてしっかり機能していないと判断されると、財務否認がされやすくなるということです。

まとめ

うまくMS法人を活用して不動産の取扱いを行えば、医療法人が得られるメリットは非常に大きいでしょう。
ただMS法人の不動産の取扱いに関する裁判事例は非常に多く、メリットを最大限に活かすことは決して簡単ではありません。
またMS法人が機能していなければ、ほんのわずかの管理料でも税務否認の対象となりますので、MS法人を正しく機能させることは常に考えておきましょう。


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