MS法人の設立におけるメリットとデメリットは、大きく節税面と経営面に分けられます。
今回紹介するのは、MS法人の経営面におけるメリットとデメリットです。
経営面においてはメリットが非常に多いMS法人の設立ですが、デメリットも存在することを把握しておきましょう。
目次
MS法人の設立には事業を区別できるメリットがある
まずはMS法人の設立におけるメリットとデメリットのうち、メリットから紹介していきましょう。
医療法人がMS法人を設立することで、直接的な医療業務と医療に関連する業務をはっきり区別できます。
医療法人が行う事業を直接的な医療業務のみにできるため、医療法人は直接的な利用業務、MS法人は医療関連業務に集中できます。
MS法人の設立には事業開拓・資金調達ができるメリットがある
MS法人は医療法人とは違い、医療法によって規制されている業務が少ないです。
したがって医療法人ではできない事業を展開することで、新しい事業を開拓できるというメリットがあります。
近年は特に、MS法人を利用したデイサービスなどの福祉サービスを行う医療法人が増加しています。
新しい事業が開拓できれば、それだけ直接的な医療業務とは別の部分で利益を上げられるということになります。
ただMS法人でも、医薬部外品や医療関連機器の販売などを事業として行う際は、医療法や薬事法を遵守する必要があります。
また医療法人の主な利益である診療報酬債権は、請求から支払われるまでに時間がかかるのにも関わらず、医療法人では社債や証券を発行して資金調達をすることが禁止されています。
MS法人は医療法人とは違い、社債や証券などさまざまな方法で資金調達できるので、MS法人の設立で資金調達における選択肢も一気に広がります。
MS法人の経営面におけるデメリットって何？
ここまでMS法人の経営面におけるメリットをいくつか紹介しましたが、経営面におけるデメリットとは一体何なのでしょうか？
もっとも大きなデメリットは、法人が増えることによる業務の煩雑化でしょう。
医療法人にはできない業務が行えるのがMS法人のメリットですが、業務が増えれば当然業務が煩雑になるというデメリットが生じます。
人件費や税理士費用をしっかり考慮した資金繰りをしないと、MS法人の設立が医療法人に負担をかけることになってしまうかもしれません。
まとめ
MS法人は経営面においてさまざまなメリットがある法人ですが、経営面のデメリットもあることを理解しなくてはいけません。
また、冒頭で紹介したMS法人の節税面に関する効果にも、メリットとデメリットはあります。
しっかりとしたビジョンを持って、MS法人の設立が経営面における潤滑油となるように利用していくべきでしょう。
