MS法人との取引における医療法人の報告義務って?


医療法人制度が2017年に改正され、MS法人との取引における医療法人の報告が義務化されました。
この項目は、医療法人の経営状況をよりクリアにするために追加された項目です。
医療法人は、MS法人との取引における報告義務を果たすために、どのような行動を取るべきなのでしょうか?
取引におけるルールと併せて解説します。

目次

MS法人との取引における報告義務を果たすために医療法人が取る行動

医療法人はMS法人との取引における報告義務を果たすために、都道府県の知事などに対して“関係事業者との取引の状況に関する報告書”を提出する必要があります。
報告書は事業報告書、財産目録と併せて提出することを義務付けられています。
またこの報告書によってチェックされるのは、MS法人との取引が適切であるかどうか、そして法に違反していないかという2つのポイントです。
では次は、医療法人が遵守すべき取引のルールについて解説します。

MS法人との適切な取引の報告義務

医療法人には、MS法人と適切な取引をしていることの報告義務があります。
適切な取引とは、MS法人との取引が、別の企業と取引する場合と同じ程度の内容である場合を指します。
たとえば、医療法人とMS法人、医療法人と第三者企業が全く同じ条件の取引を行うとします。
この時医療法人は、第三者に対しては100の報酬を支払い、MS法人に対しては110の報酬を支払うような取引をしてはいけません。
つまり同じ条件の取引にも関わらず、MS法人にだけ多く報酬を支払っている場合、適切な取引とは認められないということです。
以下のような取引は、適切でと判断される可能性が高いです。

・不動産などを高額な賃料で借りる
・人材派遣を高額な報酬で委託する

MS法人との取引において法に違反していないことの報告義務

医療法人には、MS法人と適切な取引をしていることの報告義務がありますが、もちろん法に違反していないことも報告しなくてはいけません。
都道府県の知事等に提出する報告書には、取引内容の詳細を記載する必要がありますが、法に違反している場合、行政から指導を受ける可能性が高いです。
例えば、医療法人が直接的な医療業務以外で利益を上げることは禁じされているため、例え適切な取引内容であったとしても、その内容は認められません。

まとめ

医療法人制度の改正によって定義された、MS法人との取引における医療法人の報告義務について解説しました。
ただ今回解説した内容はごく一部であり、適切な取引に関する定義はまだまだ多くあります。
MS法人を最大限に活用しようと考えると、どうしても医療法人は適切な取引の範囲外となる取引をしてしまいがちになるため、注意しなければいけません。


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