医療法人は、MS法人を設立する目的を項目ごとに知っておく必要があります。
目的を把握していないと、設立後にうまくMS法人を活用できません。
またMS法人を設立する目的をより細かく把握することによって、これまで検討していなかった医療法人も、設立した方が良いことに気付くかもしれませんよ。
目次
MS法人を設立する大きな目的は“医療法人のサポート”
MS法人を設立する大きな目的は、やはり医療法人のサポートでしょう。
医療法人は医療法に則った直接的な医療業務しかできないのに対し、MS法人は会社法が適用されているため、医療法人にはできない業務を行うことも可能です。
MS法人でも行う業務によっては医療法、薬事法を遵守しなければいけない場合がありますが、医療法人と比べると規制は大きく緩和されます。
MS法人を設立する大きな目的には“節税”もある
節税も、MS法人を設立する大きな目的の1つです。
医療法人はMS法人に報酬を支払うことで、節税に繋げることができます。
具体的には、MS法人の代表者や役員に配偶者、または子どもを任命することによって、給与を分散させて所得税の節税ができます。
これで院長の給与が下がると、相続税の節税にも繋がります。
また資本金1億円以下の医療法人には、800万円の利益まで軽減税率が適用されます。
MS法人の資本金も同様に1億円以下の場合、医療法人からの業務委託は800万円の利益まで軽減税率が適用されるため、年間で法人税を80万円ほど節税できます。
MS法人を設立する目的には“就業規則の区別”もある
MS法人を設立する目的として、意外と知られていないのが就業規則の区別です。
病院や医院を経営する際は、医師や看護師、医療事務や介護職員などさまざまな職集の人材を集めます。
そして雇用人数が常時10人を超えている場合は、作成した就業規則の届出が必要になります。
ただ職種や雇用形態の違いによって、就業規則を細かく設けてほしいと従業員から相談されるケースがあります。
こういう場合、医師や看護師は医療法人と契約、その他の従業員はMS法人と契約という風にすれば、それぞれに適用する就業規則は変更できます。
つまり異なる法人で異なる就業規則を作ることによって、トラブルを回避することが目的というわけです。
まとめ
MS法人は目的を知って設立し、目的を果たすために活用するための法人です。
近年は医療法人制度が厳しくなったこともあり、MS法人の設立によって恩恵を受けることは容易くなくなってしまいました。
ただMS法人のメリットは確実にあるため、多少管理が煩雑化しようともうまくやりくりしながら活用していただければいいと思います。