クリニックの院長は現在の経営状況だけでなく、自身が院長を退いた後のことも考えてクリニックを経営しなければいけません。
今回は、クリニックの院長が相続した土地の評価額を減額させる方法について解説します。
もし該当するクリニックを経営しているという方は、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
目次
相続する土地の評価額の減額ができる特例について
クリニックで活用できる特例の1つとして、“事業用・居住用宅地の評価の減額特例”が挙げられます。
この特例は、相続・遺贈した事業用の土地400㎡まで、居住用の土地330㎡まで、合計730㎡までの土地において、評価額の減額がされるという特例です。
したがってクリニックの院長は、まず自身のクリニックの面積、居住用の土地の面積を調査し、該当する土地でのクリニック経営をしているかどうか、該当する宅地に居住しているかどうかを確認しましょう。
相続する土地の評価額の減額特例はどうすれば受けられる?
事業用・居住用宅地の評価の減額特例を受けるためには、細かい要件をクリアしなければいけません。
居住用の土地には、上限面積以外特に細かい要件はありませんが、事業用の土地は細かく要件が定められています。
まず事業用の土地では、原則相続開始3年以内の事業併用分が対象外になります。
また個人事業用の土地、同族事業用の土地に関しては、先ほど解説したように400㎡までが対象になりますが、不動産貸付用の土地は200㎡までしか対象になりません。
また、減額の割合にも違いがあります。
居住用の土地、個人事業用、同族事業用の土地は減額の割合が80%なのに対し、不動産貸付用の土地は50%となっています。
相続する土地の評価額の減額特例が受けられる相続人・被相続人の要件
上記以外にも、相続人と被相続人がそれぞれ以下の要件をクリアしていないと、この特例は受けられません。
・遺言などによって相続人が確定している且つ相続税の申告をする
・被相続人が宅地を事業に使用していた
・相続後に相続人が相続税の申告期限まで宅地を所有する且つその事業を継続している
同族事業用の土地は、賃貸要件や出資要件、役員要件をクリアしていることで減額特例を受けられます。
まとめ
クリニックの院長は知っておくべき、相続した土地の評価額を減額させる方法について解説しました。
該当する事業用、居住用の土地を所有している院長は、自身が退いた後のことを考えて、今回解説した減額特例を受けるための準備をしておくべきでしょう。
相続した土地の相続税が高額な場合、相続人にとっては大きな負担となります。