医療法人の役員報酬とは、医療法人における役員の給与のことを指します。
そして医療法人の役員報酬は、ルールを守らないと損金として認められないことになっています。
では医療法人の役員報酬に関するルールには、一体どんなものがあるのでしょうか?
具体的に解説します。
目次
医療法人の役員報酬に関するルールとは?
医療法人の役員報酬は、“定期同額給与”、“事前確定届出給与”、“利益連動給与”のいずれかに該当していないと、損金として認められません。
またこれらに該当するものであっても、不当に高額なものは損金として認められないというルールがあります。
では、上記の給与についてそれぞれ解説しましょう。
医療法人の役員報酬の種類①定期同額給与
毎月同じ額で支払われる給与のことを言います。
もっと細かく言うと、1ヶ月以下の一定期間ごとに支払われる給与のうち、事業年度の各支給時期の支給額が同額のものを指しています。
一定に定められた給与の額は、会計年度の始めから3ヶ月以内に1度だけ改定することができます。
またそれ以外の時期に増額してしまうと、“毎月同じ額で支払われる給与”ではなくなり、損金とは認められなくなるので注意が必要です。
医療法人の役員報酬の種類②事前確定届出給与
役員に対して、所定の時期に確定した額を支給する際のルールに基づき、支給される給与のことを言います。
簡単に言うと、“ボーナス”に該当する給与のことで、“役員賞与”とも呼ばれています。
事前確定届出給与は、名前の通り支払う前に届出をしなければいけません。
ただ事前の届出を行う時期は少しややこしいため、医療法人は届出の前に税理士に相談することをおすすめします。
知識が豊富な税理士に依頼すれば、支給に適している時期とそうでない時期などの適切なアドバイスが受けられます。
医療法人の役員報酬の種類③利益連動給与
利益に連動して受け取ることが可能な給与のことを言います。
一定の要件をクリアすることで役員に支払われる、有価証券報告書に記載された業績連動給与の損金算入が認められます。
ただ非常に要件は厳しいため、実際医療法人で利用されるケースはほとんどありません。
まとめ
医療法人の役員報酬に関するルールについて解説しました。
医療法人の役員報酬においては、金額をどのように決定するのかと同じくらい、どのようなものが損金として認められるのかを把握しておくことは重要です。
役員報酬が損金として計上できないと、医療法人の経営プランが大きく狂うことも考えられるため、院長は慎重な行動を心掛けてください。