医療法人は、MS法人と取引をすることで節税ができます。
ただMS法人との間で行われる取引の内容は、“報告制度”に従って各都道府県知事に報告しなければいけません。
MS法人との取引には常に税務リスクがつきまとうため、医療法人は報告制度で規定されている取引先、または取引内容をしっかり把握しておきましょう。
目次
MS法人の税務リスクを減らすために知っておくべき“報告制度”って?
報告制度とは、医療法人における経営、非営利性の透明性を確保するために、MS法人などの事業者と行われた取引の内容を報告させる制度のことを言います。
この制度によって報告される取引先、取引内容が適切でない場合、その取引は税務否認されてしまう可能性があるので注意しましょう。
では、報告制度で規定されている取引先、取引内容には、一体どんなものが挙げられるのでしょうか?
報告制度で規定されている取引先
報告制度で規定されている取引先には、主に以下のものが挙げられます。
医療法人はMS法人を含め、主に以下の取引先との取引を報告しなければいけません。
またしっかり報告している場合でも、MS法人などとの取引内容が適切でない場合、税務否認されてしまうリスクがあります。
報告制度で規定されている取引先(報告対象)
1. 医療法人の役員、近親者
2. 医療法人の役員、近親者が代表を務める法人
3. 医療法人の役員、近親者が株主総会、社員総会、理事会などの議決権の過半数となっている法人
4. 別法人の役員が医療法人の社員総会、理事会などの議決権の過半数となっている場合の別法人
など
ちなみにMS法人は、上記の2に該当する場合が多いです。
報告制度で規定されている取引内容
医療法人は、前述の取引先と主に以下の取引を行う場合、必ず各都道府県知事に報告しなければいけません。
1. 取引に係る事業収益、事業費が1,000万円以上かつ総事業収益、総事業費の10%以上を占める取引
2. 取引に係る事業外収益、事業外費用が1,000万円以上かつ総事業外収益、事業外費用の10%以上を占める取引
3. 取引に係る特別利益、特別損失の額が1,000万円以上の取引
など
まとめ
医療法人がMS法人の税務リスクを減らすために知っておくべき、報告制度について簡単に解説しました。
しっかり報告制度で規定されている取引先、取引内容を把握すれば、MS法人との取引が適切であることが証明され、税務否認されるリスクは減少します。
冒頭でも触れたように、医療法人とMS法人との取引には常に税務リスクがつきまとうため、正確な知識を持って適切な取引を行うことは、非常に重要なことだと言えるでしょう。