医師(開業医)は、さまざまな理由でクリニックの経営に失敗します。
今回は、医師がクリニックにおける“マネジメント”を行っていなかったことが原因で発生した、経営失敗の事例について解説します。
なるべく具体的に解説しますので、これからクリニックを開業する医師はぜひ参考にしてください。
目次
医業に専念しすぎたことが事の発端
あるクリニックを経営する医師は、開業後スムーズに患者を集めるために、医業のみに専念することを考えて経営をしていました。
ただ医業に専念しすぎるあまり、クリニックの従業員におけるマネジメントが不十分になってしまい、マニュアルも作成していなかったため、従業員が好きなように業務を行っている状態になってしまいます。
また医師は、従業員と普段コミュニケーションを取ることもあまりなかったため、従業員が好きなように業務を行っていても、うまく注意することができませんでした。
その後クリニックは負のスパイラルに突入
従業員が好きなように業務を行っていた結果、そのクリニックには患者からの苦情が多く寄せられるようになってしまいます。
これを見かねた医師は、ようやくこの段階で従業員に注意しました。
ただ前述のように、医師はこれまで従業員とコミュニケーションを取ってこなかったため、ほとんどの従業員が言うことを聞かず、一向に体制は改善されませんでした。
その後医師は、従業員に業務の仕方を改善させるために、医師権限でマニュアルを作成しましたが、この急な業務体制の厳格化が逆効果となり、多くの従業員が退職する事態となってしまいました。
マネジメントへの自信をなくしやむなく閉院へ
多くの従業員が退職しましたが、最終的には看護師と受付がそれぞれ1人ずつクリニックに残りました。
ただ医師は、自身にマネジメントスキルがないことを自覚し、今後もマネジメントをしながら経営を続ける自信をなくしてしまったため、このタイミングでやむを得ずクリニックの閉院に踏み切りました。
この失敗は、医師が開業直後にマニュアルを作成し、従業員とコミュニケーションを取りながら、マニュアルや勤務環境を適宜改善していれば、起こらなかった失敗だと言えます。
まとめ
医師の経営失敗の事例を詳しく解説しましたが、いかがでしたか?
医師のクリニック経営には、医業だけでなく当然従業員のマネジメント業務も含まれます。
いくら医業の面でうまくいっていたとしても、従業員が言うことを聞かなくなったり、ましてやいなくなったりしてしまうと、医師の経営は失敗に終わります。
このような医師の経営失敗は、決して稀なケースではないため、これから開業する医師は注意しましょう。