医療法人の事業承継における対策について解説します!


医療法人の事業承継では、紛争を防止するための対策と併せて、医療法人の事業承継特有の対策も取っておく必要があります。
また対策を事前に理解し、早めに動き出しておけば、医療法人の事業承継はスムーズに行えるでしょう。
今回はその対策について、簡潔に解説します。

目次

医療法人の事業承継における紛争を防止するための対策とは?

医療法人の事業承継では、遺産分割に関する紛争を防止するために、まず“遺言”を作成します。
遺言は遺産分割の際の重要な指針となるだけでなく、被相続人の意思を後世にしっかりと反映させることができます。
また遺言執行者、後見人、遺産分割方法の指定は、遺言でなければ行うことはできません。
これらが遺言で指定されていない場合、一般的には相続人による協議によって決定されることになりますが、これが紛争の引き金となるケースは非常に多いです。
したがって、医療法人の事業承継において遺言を作成することは、とても重要なことだと言えます。

医療法人の事業承継特有の対策とは?

医療法人の事業承継特有の対策には、具体的に“出資金評価の引き下げ”に関する対策が挙げられます。
また出資金評価の引き下げに関する対策は、“純資産価額評価の引き下げ対策”と、“類似業種比準価額評価の引き下げ対策”の2種類に分かれます。
それぞれ解説しましょう。

・純資産価額評価の引き下げ対策
純資産価額評価の引き下げ対策には、まず“借入金による不動産の取得”が挙げられます。
借入金によって不動産を取得し、取得してから3年以上経過すると、医療法人が所有する土地、建物は相続税評価額で計上されます。
その結果簿価との乖離が生まれ、株式の純資産価額方式による評価額は下がります。
また医療法人が所有する遊休地において建物を建築し、3年以上が経過した場合も、同様に評価額が下がります。

・類似業種比準価額評価の引き下げ対策
類似業種比準価額評価の引き下げ対策としてまず挙げられるのは、役員報酬の増額や減価償却方式、特別償却の選択といった、法人税の合法的な節税です。
その他には、役員変更の際に出した退職一時金を損金計上したり、法人がかける養老保険に関する受取人を工夫したりするといった対策が挙げられます。

まとめ

医療法人の事業承継における対策について簡潔に解説しましたが、いかがでしたか?
遺産分割トラブルの発生を防ぐためには、必ず遺言を作成し、被相続人の意思通りに相続人が動けるような環境を整えておきましょう。
また医療法人の事業承継特有の対策には、相続時精算制度を活用した出資持分の移転や、相続財産からの出資金の除外などもあるため、こちらもぜひ詳しくチェックしていただきたいと思います。


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