医療法人の出資持分にかかる相続税の猶予制度について


相続人が、被相続人から医療法人の出資持分を相続した場合、その出資持分は相続税の課税対象になります。
ただ要件をクリアすれば、出資持分にかかる相続税を一定期間猶予してもらえる制度が利用できます。
今回はその猶予制度について、詳しく解説したいと思います。

目次

医療法人の出資持分にかかる相続税の猶予制度とは?

医療法人の出資持分にかかる相続税の猶予制度とは、認定医療法人が受けられるものであり、要件をクリアすることにより、持分なし医療法人への認定移行計画に記載された以降期限まで、相続人が受け取った持分にかかる相続税の納税期限を延ばしてもらえる制度のことを言います。
また納税期限を延ばしてもらうことができる金額については、以下の場合に該当する場合、申請することによって全部または一部の納税が免除されます。

•出資持分のすべてを放棄した場合→納税期限を延ばしてもらった金額のすべてが免除される
•認定医療法人が基金拠出型医療法人に移行する場合で、かつ出資持分の一部を放棄し、残った部分を基金として拠出した場合→納税期限を延ばしてもらった金額から、基金として拠出した金額を控除し、余った金額が免除される

医療法人の出資持分にかかる相続税の猶予制度を利用するための要件は?

• 被相続人について
被相続人は、医療法人の出資持分を有していた人物でないといけません。

• 相続人について
相続人は、被相続人から相続、遺贈によって医療法人の出資持分を受け取った人物でないといけません。

• 医療法人の出資持分について
対象となる出資持分は、相続税の申告期限内申告書に、この制度を受けることを記載したものでないといけません。

• 申告手続きについて
相続税の申告期限内に申告書を提出し、なおかつ納税期限を延ばしてもらった金額および利子税の額に見合う担保を提供しなければ、この制度は利用できません。

ちなみに以下に該当する場合も、この制度は利用できないことになっています。

• 相続開始から相続税の申告期限までに、医療法人の出資持分に基づき、出資額に応じた払い戻しを受けたとき
• 相続開始から相続税の申告期限までに持分を譲渡したとき etc.

まとめ

ここまで、医療法人の出資持分にかかる相続税の猶予制度について解説しましたが、いかがでしたか?
要件をクリアしている場合、当制度は被相続人、相続人にとってとても有益な制度となりますが、クリアしなければいけない要件は非常に多いです。
したがって、医療法人の院長や出資者、またはそれらの相続人となる方は、早い段階からこの制度を利用することを想定し、準備しておく必要があります。


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