MS法人を設立し、取引しても特定医療法人として認められる?


医療法人と一口に言っても、その種類はさまざまです。
また、中には法律による特別な認定、承認が必要な医療法人も存在し、その1つに“特定医療法人”が挙げられます。
今回は、特定医療法人の概要と、MS法人を設立し、取引した医療法人でも、特定医療法人として認められるのかについて解説します。

目次

“特定医療法人”とは?

特定医療法人とは、財団または持分の定めのない社団の医療法人で、事業と医療施設が医療の普及、向上、社会福祉への貢献とその他公益の増進に著しく寄与しており、かつ公的に運営されていることで、国税庁に認められた医療法人のことを言います。
特定医療法人として認められた医療法人は、法人税において19%の軽減税率(通常は23.2%)が適用されますが、社会医療法人とは違い、収益業務を行うことはできません。

特定医療法人として認められるには?

特定医療法人として認められるには、さまざまな要件をクリアしなければいけません。
クリニックにおけるベッドの数、社会保険診療などに関わる収入金額、医療収入の金額など、さまざまな要件がありますが、今回注目したいのは、“特別の利益”に関する要件です。
具体的には、社員や理事、監事、使用人など、その医療法人の関係者に対して、特別な利益を与えてしまうと、特定医療法人としては認められません。
特別の利益とは、根拠のない不相応な利益のことをいい、これはMS法人を設立し、取引によって特殊関係者に利益を与えている場合も該当します。

MS法人を設立し、取引しても特定医療法人として認められるのか?

MS法人を設立し、取引によって特殊関係者に利益を与えることは、“特別の利益”に該当するという話をしました。
そうなると、MS法人を設立し、取引している医療法人は、一見特定医療法人として認められないように見えますよね。
ただ、実際はこのような医療法人であっても、特定医療法人として認められることがあります。
特定医療法人の申請書に、MS法人との関係、取引内容を詳しく記載し、なおかつその取引に必然性が認められる場合、たとえ取引によって組織に利益が発生していても、それは“特別の利益”という扱いを受けません。

まとめ

ここまで、MS法人を設立し、取引した医療法人でも、特定医療法人として認められるのかについて解説しましたが、いかがでしたか?
たとえMS法人との取引がある医療法人でも、その取引が必要なものであり、かつ適切な内容であれば、特定医療法人になることは可能です。
特定医療法人の承認を目指す際には、ぜひ今回解説した内容を思い出し、参考にしてください。


この記事に関するお問合わせ

    お名前 *

    メールアドレス *

    メールアドレス(確認用) *

    お問合せ内容 *