医師の源泉徴収漏れが発生した際、医療法人はどうなる?


医療法人は、在籍する医師に支払う給料に対して、必ず源泉徴収を行わなければいけません。
つまり、医師に課税される所得税を、前もって支払っておかなければいけないということです。
では、もし医師の源泉徴収漏れが発生した場合、医療法人はどうなってしまうのでしょうか?

目次

医療法人はいつまでに医師の源泉徴収をしなければいけない?

そもそも、医療法人はいつまでに医師の源泉徴収を行わなければいけないのでしょうか?
源泉徴収の期限は、給料を医師に支払った月の翌月10日までと定められています。
この期限を過ぎると、医療法人において医師の源泉徴収漏れが発生することになります。
もちろん、故意であるかどうかは関係ありません。

医師の源泉徴収漏れが発生すると、医療法人はどうなるのか?

医師の源泉徴収漏れが発生した場合、医療法人には、“延滞税”が課されます。
これは、原則として期限の翌日から、実際に納付するまでの日数に応じて課されるものであり、当然期限を過ぎれば過ぎるほど、その金額は大きくなります。
借金の利息のようなものですね。
医療法人において延滞税は、非常に無駄な出費となってしまいますので、漏れがないかはしっかりとチェックしておかなければいけません。
ただ、本税額が10,000円を下回る場合は、延滞税を支払う必要がなくなります。

延滞税の金額について

医師の源泉徴収漏れが発生したとき、医療法人が負担することになる延滞税の金額は、完納すべき本税に延滞税率、延滞日数を掛け、1年(365日)で割ることで算出されます。
ちなみに、延滞税率には原則7.3%、もしくは特例基準割合+1%のどちらか低い方が当てはまりますが、あまりにも延滞日数が長くなると、さらに高くなります。
具体的には、延滞日数が2ヶ月を超えた時点で、14.6%もしくは特例基準割合+7.3%のどちらか低い方が適用されるようになります。

医師の給料以外の源泉徴収対象とは?

医療法人は、医師の給料だけでなく、以下のような所得に対しても、必ず源泉徴収を行わなければいけません。

 各種手当(残業手当、休日出勤手当、住宅手当など)
 弁護士、税理士などに支払う報酬
 退職金
 ホームページなどのデザイン料、原稿料 など

まとめ

ここまで、医師の源泉徴収漏れが発生した場合における、医療法人の処遇を中心に解説してきましたが、ご理解いただけたでしょうか?
医療法人は、無駄な出費を抑えるためにも、必ず今回解説したことを覚えておきましょう。
また、たとえ医師が源泉徴収を拒んだとしても、医療法人には源泉徴収を行う義務があるため、決して譲ってはいけません。


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