多くの開業医が抱える悩みの1つとして、“跡継ぎがいない”ということが挙げられます。
ただ、一口に“跡継ぎがいない”と言っても、そのパターンは1つではなく、今回解説する2つに大別されます。
開業医の方は、自身がどちらの状況に悩むかを想定しておきましょう。
目次
開業医の“跡継ぎがいない”パターン①跡継ぎとなり得る人物が医師資格を持っていない
開業医の跡継ぎがいないパターンの1つに、“跡継ぎとなり得る人物が医師資格を持っていない”というパターンがあります。
これは、子どもがいたり、信頼できる第三者が身近にいたりするにも関わらず、それらの人物に資格がないことで、開業医としての地位を明け渡すことができないというパターンです。
医師国家試験の合格率は、毎年90%前後を叩き出しており、この数字だけ見ると、医師になるということのハードルは、それほど高くないように感じますよね。
ただ、近年は日本の医学部が国際基準に合わせ、臨床実験を増やしたり、実技を評価したりする仕組み作りが進められているため、実際医師になることのハードルは、上がっていると言っても過言ではありません。
そのため、跡継ぎとなり得る子どもはいるにも関わらず、その子どもがなかなか一人前の医師になれずに承継できないというケースは、今後増加するでしょう。
開業医の“跡継ぎがいない”パターン②跡継ぎとなり得る人物が跡継ぎになりたがらない
開業医の跡継ぎがいないパターンには、“跡継ぎとなり得る人物が跡継ぎになりたがらない”というパターンもよくあります。
これは、医師免許を持っているだけでなく、開業医としての能力もしっかり兼ね備えている跡継ぎ候補がいるにも関わらず、その候補がクリニックを継ぎたがらないというパターンです。
一般企業などでもよく見られますね。
跡継ぎとなり得る人物に、開業医以外のやりたいことがある場合、または、間近でクリニック経営の難しさを見てきたことにより、“開業医は難しい”と感じられる場合などは、やはり跡継ぎになることを敬遠されてしまいます。
もちろん、このようなケースでも、少しずつ説得していくことや、開業医としてのやりがいを示すことで、跡継ぎ候補に承継の意思が芽生える可能性はあります。
まとめ
ここまで、開業医の跡継ぎがいないパターンについて解説してきましたが、いかがでしたか?
現在開業医としてバリバリ活躍する方でも、いずれは事業承継や廃業などについて考えるときが訪れます。
また、事業承継は長期のプランを立てて、少しずつ進めていくものであるため、若い内からプランを描いておくことは、決して悪いことではありません。