診療科の中には、なり手が見つかりにくい科目もあります。
例えば産婦人科は、単に激務という理由で敬遠されているだけでなく、開業医にとって重要な利益面から見ても、避けられがちな科目と言われています。
それって、何故でしょう。
今回は、開業医の中でも産婦人科を例に、利益的な側面から利益率まで詳しく解説します。
目次
産婦人科の開業医の経営は利益が出にくい?~利益率と運営の問題~
産婦人科の開業医になる場合、利益率の良い眼科や整形外科と比べると、あまり利益率は良くないと言われています。
その理由は、経営に関わるコスト面に起因していることが多いでしょう。
眼科のように利益率の良い診療科に挙げられる特徴には、命に係わる重大な病気がない、手術が短時間で終わりやすいということがありますよね。
また、スタッフを多く雇わなくても業務を回すことが可能である、という点も関わっているでしょう。
しかし、産婦人科の場合はどうでしょうか?
いざという時の手術には、医者1人では対応できないことも多いですし、看護師等のスタッフも複数人いなければ手が回りませんよね。
また、診察には高価な機械も使うことがありますから、医療器具の購入も初期費用としてかかってくるでしょう。
これらの事情を考えると、人気があって患者数が多い医院であっても、高い収益が確実に手に入るとは限りません。
さらに、スタッフの増員も視野に入れるとなると、人件費がかかりますから、開業医個人の収入はそこまで高いとは言えないこともありますよね。
この事情を知ると、経営的にまだ運営がしやすい診療科を検討する医師が増えることにも、納得できるでしょう。
女医の場合の開業医は利益面が好調!~女性という立場が利益率に繋がる~
一方で、近年産婦人科では女医のニーズが急増していることもあり、開業医になって高利益になった、利益率が良いという話題もあります。
産婦人科を受診する女性の中には、同性に診てもらった方が安心できるという気持ちがある人もいますよね。
そのため、開業して成功したという女医は、意外と多いのです。
診療点数の観点から見ると、他の診療科と比べて低めではありますが、保険外の診療を取り入れることで成功しているケースもあります。
どこまでの診察を行うかは、利益を考える上でも重要なポイントになるでしょう。
まとめ
今回は、産婦人科で開業医になった場合の、経営的な利益や他の科との利益率の兼ね合いまで、詳しく触れました。
医療機器や人件費等、経営面でかかるコストは比較的高めの傾向があります。
その一方で、人気の医院・クリニックになると、患者数が多くなり利益が出てきますよね。
1人で回していくことは難しい診療科ですから、基本的には複数人医師を雇うことを前提にして経営面の計画を立てるべきでしょう。