クリニックで広がっている「コロナ赤字」の現状に迫る!


4月の診療報酬は、6月になると入ってきますよね。
その報酬額に驚いた医師も多いのではないでしょうか?
ほとんどのクリニックでは、感染拡大の状況から「コロナ赤字」という経営状態の問題に直面しています。
一方で、これは患者さんが来ないから起こっている問題でないのです。
今回は、問題の背景に迫っていきましょう。

目次

クリニックで感染対策を行ったために起こるコロナ赤字

クリニックの経営面において、最初にコロナ赤字の要因となっているのは、感染対策にかかった費用になります。
例えば、マスクや消毒液の購入、状況によっては防護服を準備する等が挙げられますよね。
感染対策は、患者さんに限ったことではありません。
スタッフからの院内感染を防ぐためには、スタッフの健康を守る対策が必須になりますよね。

そのため、普段ならそこまでお金がかかっていない備品関係の費用が急に増えたというクリニックは多いでしょう。
集患や診察ができない状況で、支出が増えてしまっては大変です。
通常通りの診察が難しい分、支出の増加によって苦しい状態に陥っていると考えて下さい。
しかし感染対策に関わる備品は、医療サービスを提供する上で欠かせませんから、削減できず、悩ましいところです。

クリニックによっては人件費の関係でコロナ赤字になることも

もう一つは、感染疑いの患者が訪ねる機会が多いことです。
クリニックの地域の立ち位置のよっては、感染疑いの患者さんから診察やその連絡が来ることがありますよね。
ですが、「患者」が来ているという事実に変わりありませんから、患者が来なくなるよりは収益になるのではと思ってしまいませんか?

実は、これもクリニックがコロナ赤字になってしまうのです。
例えば、感染の疑いのある患者さんを診察したとしても、検査結果がすぐに出るわけではありません。
そのため、症状によっては入院等を指示するにしても、入院先を探すまで適切な対応が求められますよね。
その結果、大人数が1人の患者さんの対応に迫られたということもあるのです。

通常よりも患者対応のスタッフが多いとなると、出勤した分の手当てを支払わなければなりません。
そうなると、いつも以上に人件費がかかることになりますよね。
かかった手間と診療報酬を比べると、割に合わないのです。
これでは、いくら適切な対応をしたとしても、経営的に苦しいのは間違いないでしょう。

このように人件費と診療報酬のバランスの悪さも、赤字に関わっています。

参考URL日経メディカル
(https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/blog/nhc/202006/566107.html)

まとめ

クリニックに4月分の診療報酬が入ったことで、コロナ赤字の実態がより現実的になりました。
経営難で苦しんでいるのは、感染者の対応の有無に関係ありません。
現在、経営が維持できるように、資金繰りで活用できる様々な制度が設けられていますので、必要に応じて活用するようにしましょう。
経営面において、このような事態は今までありませんでしたから、不安を抱えている医師はひとりだけではありません。


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