クリニック開業を目指す際には、必ず開業に関する規制等の内容をチェックしますよね。
その中に、「外来医師多数区域」の存在があることをご存知でしょうか?
専門外の人には馴染みがない用語かもしれませんが、医師ならば把握しておかなければなりません。
今回は、外来医師多数区域の基本知識について見ていきましょう!
目次
クリニック開業に対する規制に繋がる要素?~医療サービスの考え方から~
クリニック開業において、外来医師多数区域は規制の対象になるのかと議論されている話題の一つです。
外来医師多数区域とは、日常生活で発生する病気等に対して、「二次医療圏」で対応する医師が多い地域を表す用語になります。
みなさんが生活する上で、身近に必ず病院やクリニックがありますよね。
それを感覚的な判断にせず、数値化していると思って下さい。
ここで用語を理解するのに大切なポイントは、「二次医療圏」。
二次医療圏とは、都道府県において複数の市町村を1つの医療サービスの提供エリアと考えることになります。
それに対して、一次医療圏は市町村単位で判断されますから、より広範囲のエリアが対象になるでしょう。
二次医療圏が判断のベースになっているのは、受診する範囲が症状や病気によって、居住エリア外になることがありますよね。
このような事情から、二次医療圏におけるサービス状況がベースになっているのです。
補足ですが、医療圏には三次医療圏まであり、三次医療圏は最先端治療等、高度な治療を行う医療圏を示しています。
医療サービスの視点から見ると、大切な要素であることが分かるでしょう。
クリニック開業において、規制がかかりそうなエリアは?
クリニック開業において、規制とまでいかなくても、外来医師多数区域の開業は厳しい状況にあります。
ところで、外来医師多数区域の対象となっている地域には、どこが挙げられるでしょうか?
「第7回医療従事者の需給に関する検討会」で発表された資料の中には、該当するであろう地域が公開されています。
例えば、東京都だと23区、神奈川県だと横浜や川崎南部、兵庫県だと神戸や東播磨、阪神がピックアップされています。
これらのエリアは、人口が多いことで有名ですから、医療サービスが集中しやすいことに納得できますよね。
開業を目指している医師は、開業予定エリアの現状を知るためにも、サービスの状況を確認しておくべきです。
参考URL
メディット(https://www.medit.jp/direction/outpatient/)
厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/000491610.pdf)
まとめ
今回は、「外来医師多数区域」の基本知識についてご説明しました。
これは、クリニック開業時の規制議論に関わる内容の1つであり、開業予定地を見極める上でも大切なデータになります。
人口が多い地域で開業するということは、同時にライバルが多いことを意味しますよね。
これは、開業時の動向だけでなく、長期的な医療サービスの提供の度合いにも関わりますから、きちんとリサーチしておきましょう。