新規クリニック開業において、外来医師多数区域の規制は気になる話題ですよね。
ところで、なぜこのような規制が設けられたのか、その背景を理解しているでしょうか?
そこには医師だけでなく、医療サービスにとっても根深い問題が混在しているのです。
今回は、外来医師多数区域の規制の背景について、解説します。
目次
なぜ新規クリニック開業が規制されるのか?
新規クリニック開業において、都市部の方で規制されるという話題は、開業を控えている医師にとって敏感ですよね。
この話題は、「医師確保計画策定ガイドライン」と「外来医療に係る医療提供体制の確保に関するガイドライン」が根拠となっています。
どちらも、厚生労働省が都道府県宛に出した通知になるのですが、内容が難しそうに感じますよね。
記載されている内容を簡単に説明すると、以下のような形になります。
・地方の医師不足が深刻
・病床数と医師のバランスが悪い
・在宅医療に携われる医師の増加を目指したい
・労働環境が厳しい診療科の医師を増やしたい
上記の内容は、地方になればなるほど、確かに深刻なことが分かりますよね。
その結果考え出したのが、地方での開業や医師を増やすために、都市部の開業に制限を設けると良いのでないかということになります。
実状として、都市部で開業している医師は多いのですが、従来まで開業数を制限するような動きはありませんでした。
そこに「テコ入れが始まった」、と医師ならば考えてしまうでしょう。
今後のクリニック開業では規制に則って場所を考えるべきなのか?
新規クリニック開業において、上記のような規制とも受け取れる通知で問題になっている事例はあまり聞こえていません。
しかし、これから開業を目指している医師にとっては、注視すべき内容になりますよね。
特に開業場所の選定は、大きなポイントになりますから、計画を変更するということも出てくるでしょう。
しかし、規制に従って厳格に判断するというのはどうでしょうか?
診療科やサービスの特性によっては、今まで通り都市部や人口が集中しているエリアに開業した方が良い場合もありますよね。
そのため、一概に規制があるからできないとも言い切れないのです。
ただし、規制がある以上は、都市部での開業は厳しくなることを念頭に入れておくべきでしょう。
規制の基となる背景を知っておくことは、開業前後の競争に勝つことにも繋がるでしょう。
まとめ
今回は、新規クリニック開業における外来医師多数区域の規制の背景について、解説しました。
規制が設けられた背景は、深刻な医師不足やその地域差にあると言っても過言ではありません。
この問題を解決するにあたり、開業エリアに制限を設けたというのは、一つの解決策ではありますよね。
一方で、厳格に守るべきというよりは、都市部への開業ハードルが上がる内容だと考えて下さい。
