在宅医療の変化~令和2年度の診療報酬で変わった点とは?~


在宅医療等の新しい事業を始める場合、診療報酬の情報には敏感になります。
通常の診療形態とは違う形ですから、経営上の影響を考えてしまうのは当たり前のことです。
そのような中、令和2年度の診療報酬改定があったのは記憶に新しいでしょう。
これからの経営方針に、大きな影響はあるのでしょうか?

目次

在宅医療への将来的な期待から診療報酬が上がる

在宅医療関連の診療報酬改定の中身の一つには、地域社会への重要性が関係しています。
特に、令和2年度の診療報酬改定で重視されたのは、「質の高い医療」です。
従来から重視されている項目ではありますが、再度注目された理由には何があるのでしょうか?

それには、高齢化が進んでいることだけが関係しているのではありません。
地域社会には、高齢者に限らず、医療サービスとの関わりが必須な障がい者も存在します。
そのような人たちが、安心して暮らすことのできる社会を考えると、既存の医療サービスだけでは物足りないことも出てくるでしょう。
地域社会の医療を支えるという視点から考えると、今までの診療報酬設定ではサービスの維持が困難な場合もあります。

サービス維持という視点から見ると、診療報酬の改定によって良い方向に向かうのは、サービスを提供する側にとって助かることなのです。
実務に関わっている人だけでなく、制度的な面でも重要性が高まっていることが反映されての変更点になるでしょう。

在宅医療での褥瘡管理と診療報酬の設定の変化

在宅医療を利用している患者の中には、寝たきりの人もいます。
床ずれの症状が出ないように、在宅医療に現場では褥瘡管理と呼ばれる対応を行い、それに対しての診療報酬も設定されていました。
ですが、従来の診療報酬設定だと、対象となるのは患者を主担当している担当機関が主になることがほとんどでしょう。
これでは協力体制を取りたくても、経営面の影響で中々積極的に声がかけられません。
その結果、他の機関との連携が取りにくい事情があったのです。

しかし、今回の改定によってその部分の不都合を取り除き、きちんと所定点数を計算できるようになったのです。
寝たきりの患者の生活等の対応は、本人だけでどうにもできません。
周囲の力を得ながら、病気の治療や生活改善を行っていく必要があるのです。
「寝たきりにならない」とは断言できないからこそ、今回の改定分は大きな影響力を持っていることになるでしょう。

まとめ

このように、在宅医療は、令和2年度診療報酬改定により変わった点があります。
在宅医療は、単独の医療機関の力だけで継続できるものではありませんから、他の機関との連携を取りつつ、治療にあたりましょう。
それができてこそ、「質の高い医療」サービスを提供できるのです。
関わっている全ての機関に適切な報酬が配分されるのは、医療業界の未来にとっても良いことですから、新しい可能性を発見できるでしょう。


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