医療機器の耐用年数は、国税庁で公開されている一覧表で確認できます。
すでに確定申告の際、お世話になっている人もいるはずです。
しかし、中には使用している機器の耐用年数の記載が見当たらないこともあります。
そのような場合は、どうすれば良いのでしょうか?
今回は、その対処法をお伝えします。
目次
医療機器の耐用年数が国税庁で公開されている理由
対処法についてお伝えする前に、まずは医療機器の耐用年数が国税庁で公開されている理由をお話しします。
少し話は変わりますが、私たちが毎日の生活で使用している電化製品にも、耐用年数があります。
機械の扱いによっては、その年数以上に使用できることもあります。
これは「物持ちが良い」と判断することができますが、もう一つの考え方もできます。
耐用年数を超えて使用すると、保証期間の対象外になるため、修理する場合には費用が高額になる可能性があることです。
この考え方は、経理面に大きな影響を与えますので、経営者ならば絶対に知らなければなりません。
耐用年数を超えて医療機器を使用していると、故障時の費用対応だけでなく、減価償却費としての計上ができなくなります。
そうなると、節税面でのメリットが得られませんから、経営が困難な状況になりかねません。
会計的な視点から、適切なキャッシュフローを実現するために、耐用年数が決められているのです。
その窓口として国税庁が関わっていますから、開業医は必ず目を通して下さい。
対象の医療機器の耐用年数の記載が国税庁にない場合は?
ここで本題となる、医療機器の耐用年数の記載が、国税庁で公開されている一覧表にない場合の対応です。
一覧表に記載がないからと言って、自己判断で計算をしてはいけません。
対象の医療機器の記載がないこと自体は、よくあることなのです。
診療科によっては、専門分野特有の機器もあります。
全ての分野を網羅して記載することが、さすがの国税庁でも難しいのです。
仮に、そのような医療機器がある場合は、お近くの税務署や税理士、会計士に相談するようにして下さい。
税務署等では、記載のない機器の耐用年数の把握ができていますので、きちんと適正な年数を教えてくれます。
不明なまま放置してしまうと、確定申告の際に困るのは開業医自身です。
事前に相談しておくと、修正申告の手間もかかりませんから、早めに解決するようにしましょう。
まとめ
今回は、医療機器の耐用年数の重要性と、国税庁に記載がない場合の対処法をお伝えしました。
耐用年数は、機器の寿命判断でなく、会計上のキャッシュフローの見直しをするために設けられています。
稀に一覧表に記載のない機器もありますが、その時は税務署や税理士等に相談するようにして下さい。
これは、節税メリットをフル活用するために必要な情報ですから、遠慮なく確認して不明点を解消しましょう。