巷で公開されている医師の開業年齢は、それを目指す参考になります。
今回注目したいのは、開業に年齢制限が無いとはいえ、年齢が障害になるという点です。
高齢になってから急に開業するのが困難なのは、何故でしょうか?
目次
医師の開業年齢が上がると融資が受けられない?
現在、医師が開業する年齢は40歳代がほとんどです。
中には、それ以上の年齢でも開業に成功し、経営に専念している医師もいます。
しかしながら、経験者の多くは「45歳までに開業した方が良い」と回答する傾向があるのです。
先輩方がこのように考える背景には、融資状況が関係しています。
医師は、比較的融資が受けやすい職業ではありますが、いつまでも融資が通る訳ではありません。
現在の収入や開業時の利益から、返済に滞りがないかを確認した上で、融資の決定をしています。
となると、適切な返済期間が何年くらいになるのかがポイントになってきます。
一般的に金融機関は、融資をしたとしても、65歳くらいまでに返済が終了するように計算して手続きをしていきます。
ですが、高齢になってから融資を受けようとしている人だと、65歳までに返済が終わるかどうか分かりません。
下手をすると、返済計画が頓挫してしまう恐れがあるのです。
返済リスクや融資の審査のことを考えると、高齢になってからの開業はハードルが高すぎます。
医師としての経験と開業時の融資の返済が無理なく行える年齢を考えると、40歳代が丁度良い時期になるのです。
開業には感覚的な要素もありますが、金銭面の事情から考えると悠長に構えていられません。
医師の開業年齢が上がるほど利益の回収に支障が出る
先程の融資の話に関連しますが、医師の開業年齢が上がるほど、収益の回収が望めない事態も発生します。
これには、2つの理由があります。
まずは、単純に開業が遅いことで、患者が定着するタイミングが若い世代よりも遅くなることです。
もう一つは、医療費の抑制です。
診療科や診療形態にもよりますが、保険診療だけだと満足に収益が望めない場合もあります。
その結果、融資の返済だけでなく、経営上のやり繰りが困難になることも少なくありません。
開業医の収益確保の視点から見ても、適切な時期があることを理解すべきです。
まとめ
このように、医師の開業年齢は、上がれば上がるほど不利な要素が増えていきます。
40代が目安として紹介されることが多いですが、それは融資を問題なく受けられる年齢になるからです。
さらに、開業して得られる収益のことを考えると、遅い開業では元が取れない可能性が出てしまいます。
今回の記事を通して、何事にも適切なタイミングがあることを再認識しましょう。