“医師会”は、正確には“日本医師会”と呼ばれるもので、医道の高揚や医学および医術の発達、公衆衛生の向上を図り、社会福祉を増進することを目的に、あらゆる活動や提言を行う団体です。
今回は、クリニックを開業した院長が医師会に加入するメリット・デメリットについて解説します。
目次
クリニック開業時、医師会に加入するメリットは?
クリニック開業のタイミングで、院長が医師会に加入することで、健康診断、予防接種といった医療業務を委託されることがあります。
これらの業務を行うことで、多くの方にクリニックの宣伝ができるというのは、大きなメリットと言えます。
例えば、小児科のクリニックを開業する場合、学校検診を委託されることになれば、地域の子どもやその親御さんと交流を深め、今後の集患に繋げられる可能性があります。
その他、高齢者の方のインフルエンザ予防接種、肺炎球菌ワクチン接種などの委託を受けることになれば、高齢者の方を多く獲得するきっかけになるかもしれません。
また、クリニックを開業する院長が医師会に加入するメリットには、情報が入手しやすくなるということも挙げられます。
医師会には、全国の現役医師が数多く加入しているため、行政や医師会講習会、医療などの情報が数多く手に入ります。
このような情報は、医師会に加入していない限り、なかなか容易には入手できません。
クリニック開業時、医師会に加入するデメリットは?
クリニック開業時、院長が医師会に加入するデメリットとしては、なんといっても年会費が高いことが挙げられます。
エリアによって多少金額は異なりますが、場合によっては、受けることができる補償と年会費が見合っていないと感じるかもしれません。
また、医師会に加入すると、診療以外の業務負担が増加します。
こちらも見逃せないデメリットです。
医師会会員である医師は、医師会の仕事を依頼されることがあります。
具体的には、介護保険の審査や、市民公開講座の委員などが挙げられ、クリニックでの業務が忙しい開業医にとって、こちらはかなりの負担になるでしょう。
ちなみに、上記の医師会における仕事は、クリニックの診療時間内に行わなければいけない可能性もあります。
つまり、医師会の仕事が増えると、クリニックを休診にせざるを得ず、収入にも影響が出るということです。
まとめ
開業医が医師会に加入することで、集患につながり、なおかつ最新の情報を取得しやすくなります。
しかし、前述の通り一切デメリットがないわけではなく、加入することで身体や経済的な負担が大きくなる可能性はあります。
これからまさにクリニックを開業するという方は、じっくりメリットとデメリットを天秤にかけた上で、加入するかどうか判断してください。