美容クリニックを経営するにあたっては、当然少しでも売上をアップさせることを考えなければいけません。
ただし、そのためには闇雲に利益を追求するばかりではなく、どうすれば売上が上がるのかを理解する必要があります。
ここからは、美容クリニックにおける売上アップの仕組みについて解説します。
目次
美容クリニックにおける売上の計算式
美容クリニックの売上(医業収入)は、以下のような計算式で算出することができます。
・客数×客単価
また、こちらの式をさらに細かくすると、以下のようになります。
・(新規患者+再診患者+紹介患者)×客単価
つまり、基本的な仕組みとしては、新規患者、再診患者、紹介患者をそれぞれ増加させ、なおかつ客単価を上げる工夫をすることにより、売上はアップするということです。
新規患者を増やすための取り組み
美容クリニックの新規患者を増やすためには、とにかくWebを中心とした広告宣伝に力を入れる必要があります。
美容医療は、デリケートな悩みに応えるという性質から、インターネット検索のニーズが高く、Web集客は切っても切れないものです。
しかし、その分多くの美容クリニックがWeb集客を実施しているため、競合性は高く、自費診療における新規患者の獲得には、特に高度かつ多種多様な広告戦略が必要になります。
具体的には、最低でも以下のような広告宣伝は必ず実施し、他院よりも新規患者の集客面でリードできるようにしましょう。
・ホームページ
・リスティング広告
・ポータルサイト
・Googleマイビジネス
・オウンドメディア(ブログ、メールマガジンなど)
・SNS など
ちなみに、他院との差を付けたいからといって、虚偽広告や比較優良広告、誇大広告などを展開してはいけません。
再診患者、紹介患者を増やすための取り組み
再診患者や紹介患者を増やすために美容クリニックに求められるものは、なんといっても接遇力です。
こちらは、美容クリニックを含む医療現場で特に必要とされる力であり、必要最低限のサービスを提供する“接客”にプラスアルファのおもてなしを加えることをいいます。
応対の現場において、接客やマナーはあくまで形であり、ルールとして当然に守られるものです。
一方、接遇は心で行うものであり、マナーという形に心が加わらなければ、患者さんに本当に満足してもらうことはできません。
接遇力が高い医師や従業員が増加すれば、美容クリニックは一度訪れた患者さんに対し、「また施術を受けに来たい」と思わせることができ、再診患者からの紹介でさらなる増患も期待できます。
その他、キャンペーンや運営管理能力も、再診患者や紹介患者を増やすにあたっては必要不可欠なことです。
例えば、紹介によって訪れた患者さんの初診料、美容クリニックを紹介した患者さんの再診料を割引するキャンペーンなどを実施すれば、再診患者にも紹介患者にも思いを還元することができ、今後の集患につながります。
また、高い運営管理能力により、それぞれの患者さんの特徴や好みなどを把握することも、質の高いサービスや適切な医療の提供につながり、結果的に再診患者と紹介患者のいずれも増加できる可能性があります。
客単価を上げるための取り組み
美容クリニックが客単価を上げるためには、商品力と提案力が鍵になってきます。
美容クリニックで行う施術の多くは自費診療であるため、簡単に患者さんの心を動かし、客単価を上げることはできません。
ただし、信頼性が高く、なおかつ最新技術を用いた施術を提案すれば、本来受けるつもりだった施術だけでなく、他の施術もあわせて受けてもらえる可能性があります。
その他、複数の施術を受けることができる料金プランを設定したり、施術の選択肢をとにかく増やしたりすることも、客単価上昇につながる工夫であり、これがまさに美容クリニックの商品力です。
また、提案力は、美容クリニックの医師が患者さんに行うカウンセリングによって発揮されるものです。
もちろん、強引に追加の施術を勧めたり、オプションを付けることを強要したりすることは、医療の提供者としてあってはいけません。
しかし、根拠に基づき、本当に患者さんにとって必要とされる別の施術、オプションを提案することに関しては、カウンセリングにおいて積極的に行うべきだと言えます。
ちなみに、美容クリニックにおける商品やサービスを提案する際は、カウンセリングなど口頭で説明するだけでなく、POPを作成するのも効果的です。
院内に設置されたPOPは、視覚情報として多くのことを伝えられるだけでなく、随時新しいものに作り変え、新鮮な情報を提供できるため、前回はピンとこなかった患者さんでも、2回目に来院した際には相談してもらえる可能性があります。
まとめ
美容クリニックにおける売上は、新規患者や再診患者、紹介患者を増やし、客単価も並行して上昇させることで、必然的にアップします。
もちろん、これらの取り組みは決して簡単ではありませんし、美容クリニックの医師や従業員が一丸となって行わなければ、失敗に終わる可能性もあります。
よって、まずは従業員間において、方針や取り組みを共有するところから始めましょう。