美容クリニックの多くは、クレジット決済を導入しています。
そして、利用者もクレジットカードでの支払いが可能ならそれを利用することが多いでしょう。
しかし、経営側として無視できないのが、クレジット手数料です。
経営において重要となるため、どのようなものか知っておきましょう。
目次
クレジット手数料とは？
美容クリニックがクレジットカードで決済できるようにするには、それぞれの加盟店となる必要があります。
そして、その利用金額に応じて、クレジットカード会社に手数料を支払わなくてはならないのです。
クレジット手数料といわれるものには、いくつかの種類があります。
リボ払い、分割払いの手数料もそうですが、これはクレジット利用者が利用金額に上乗せしてクレジットカード会社に支払うものなので、加盟店には影響がありません。
加盟店に影響するのは、決済金額にかかる手数料です。
これは、支払い回数に関わらず一定の割合で支払うものです。
利用者がリボ払いや分割払いにしていても、手数料は変わらないのです。
ちなみにこの手数料ですが、利用金額に上乗せすれば負担は無くなるのではないか、と思えるでしょう。
しかし、実は手数料を利用者に請求することは、禁止されているのです。
これは、加盟店規約に定められているため、上乗せしてしまうとそれに反することになるのです。
ちなみに、現金決済と対応を分けることも禁止されています。
手数料がかかるとしても、現金決済と同じように扱わなくてはならないのです。
どのくらいかかるのかは、契約時に決められています。
加盟店それぞれで異なり、業種によっても異なっています。
美容クリニックの場合は、3～5％ほどが相場でしょう。
この手数料は、回収できなくなるリスクに応じて高くなります。
コンビニなどは1～2％が相場で、ECサイトでは5～7％ほどになります。
クレジットカード会社によっても異なるので、注意しましょう。
また、導入するには初期費用も掛かるので注意しましょう。
まず、カードを読み取るためのリーダーが必要です。
これには専用のものと、電子マネーなどにも対応しているものがあります。
この他に、カード情報を認証するためにネット環境も必要です。
今は、スマホやタブレットのモバイル決済でクレジットカードの読み取りができる場合もあり、これが利用可能なら初期費用を抑えることもできるでしょう。
手数料がかかっても導入するメリット
例えば手数料が3％とした場合、20万円の決済をすると手数料として6,000円支払うことになります。
手数料がかかるということは、それだけクリニックの利益が減ることになるので、それくらいなら導入しなくてもいいかな、と思う経営者もいるでしょう。
しかし、クレジット決済を導入することにはそれ以上のメリットがあるのです。
そのメリットは、大きく分けて3つあります。
それぞれのメリットについて、解説します。
まず、利用できるようにするだけで患者数が増加するというメリットがあります。
美容クリニックを利用する人の中には、現金決済でもいいという人もいれば、クレジット決済でなければ嫌だという人もいるでしょう。
決済方法を増やすということは、現金決済の患者を拒否するのではなくどちらにも対応できるようになる、ということなのです。
そのため、別の決済方法を希望する人を受け入れられるようになる分、患者数が増加するのです。
また、クレジットカードを利用できるということは患者の方で支払い方法が選べるということです。
分割払いやリボ払い、ボーナス払いなどが可能になれば、利用したいと思う患者も増えることになるのです。
クレジット決済ができれば、高額商品も売りやすいというメリットもあります。
魅力ある商品があっても、現金決済のみだと手持ちが足りずに諦める人が出てきます。
しかし、クレジット決済ならその心配はありません。
その商品が一括で支払うには厳しい価格でも、クレジット払いなら支払い方法が選べるので購入しやすいでしょう。
ローンの場合は審査があるのでハードルが高いのですが、クレジットカードの分割払いならその心配もありません。
そして、クリニック側の業務も軽減できるというメリットもあります。
多額の現金をやり取りしていると、閉店後には売り上げのチェックでかなりの時間がかかるでしょう。
現金の管理にも、気を使います。
クレジットカードを利用する人が増えると、会計も簡単になり計算もすぐに終わります。
また、数え間違いや計算ミスによって生じる損失も少なくなります。
こうしたメリットがあるので、クレジット決済の導入は多くのクリニックが進めているのです。
まとめ
決済手数料がかかることで、クレジット決済を導入するのを嫌がる美容クリニックは少なくありません。
確かに手数料はかかりますが、それ以上のメリットがあります。
クレジット決済を導入することは患者の利便性を高めることにもなりますが、同時にクリニックのためにもなります。
まずは導入した場合にどのくらいの手数料がかかり、どんなメリットがあるのかを詳しく考えてみましょう。
