クリニックが資金繰りに苦しむ理由と改善方法について


クリニックが資金繰りに苦しむ理由は、さまざまなことが挙げられます。
また、事業承継やM&Aといった手段を視野に入れる院長先生もいるかと思いますが、資金繰りが苦しいままだと、これらの選択肢もうまくいかないことが考えられます。
ここからは、クリニックが資金繰りに苦しむ理由とその改善方法について解説します。

目次

クリニックが資金繰りに苦しむ理由3選

クリニックの資金繰りが苦しくなる主な理由としては、以下のことが挙げられます。

・継続的な赤字経営
・多すぎる在庫
・急激な売上アップ

継続的な赤字経営

クリニックが資金繰りに苦しむ理由としてもっとも多いのは、なんと言っても継続的な赤字経営です。
例えば、現時点で余剰資金500万円のクリニックがあったとします。
しかし、たとえ500万円の余剰資金があっても、毎月50万円ずつ赤字が出続けてしまうと、500万円は1年も経たずしてゼロになってしまいます。
このような状況になると、資金繰りをどう改善するかの前に、まずは赤字が継続している状態を院長先生が立て直さなければいけません。
また、継続的な赤字経営に陥っているクリニックは、M&Aにおいて買い手から敬遠されがちであり、八方塞がりになってしまう可能性もあります。

多すぎる在庫

クリニックが資金繰りに苦しむ理由には、医薬品や医療材料、医療消耗品といった備品の在庫が多すぎるということも挙げられます。
なぜなら、在庫が多すぎるということは、常に仕入れ金額が売上金額を上回っていることになるからです。
売上が上回っていれば、どれだけ仕入れをしても、基本的に備品の在庫が多くなりすぎることはありません。
また、クリニックで仕入れる医薬品には、期限が決まっているものもあるため、毎月のように売上が少ないと、仕入れ分の金額をドブに捨てることにもなりかねません。

急激な売上アップ

クリニックは、急激な売上アップでも資金繰りに苦しむ場合があります。
急に売上がアップした場合、当然それに対応するための仕入れの金額や、業務を回すための人件費は増加します。
しかし、それらの支出が増えるのは、基本的にアップした分の売上を手にする前です。
つまり、売上は上がったものの、その売上が入るまでの期間、資金繰りに苦しむ場合があるということです。
また、売上アップに伴って資金繰りに苦しんだり、人材を確保したりするのが難しくなったことが原因で、経営が困難になり、廃業やM&Aに踏み切るというクリニックも存在します。

クリニックが資金繰りを改善させるためにおすすめの方法

クリニックが資金繰りを改善させ、経営を立て直すためには、以下の対策を取ることをおすすめします。

・町内会と良好な関係を築く
・介護保険事業者と連携する
・待ち時間の問題を解消する

町内会と良好な関係を築く

クリニックの資金繰りを改善させるのにおすすめの方法としては、まず町内会と良好な関係を築くことが挙げられます。
オフィス街など、限られた立地条件でなければ、ほとんどのクリニックはいずれかの町内会に所属しています。
また、町内会と良好な関係を築くことで、今後近隣住民に来院してもらえる可能性は高くなります。
例えば、町内会のイベントにおいて、薬や健康に関するセミナーを開催すれば、多くの方に名前を覚えてもらえますし、コミュニケーションを取ることができます。

介護保険事業者と連携する

クリニックの資金繰り改善につながる対策としては、介護保険事業者と連携することも挙げられます。
介護保険事業者とは、高齢者に向けた居宅介護支援事業、訪問介護支援事業、通所介護支援事業、訪問入浴事業などを行っている事業者をいいます。
簡単にいうと、高齢者向けのサービスを展開している事業者です。
高齢者の方の中には、治療や薬を必要とする方も多いため、定期的に事業者の元を訪れることで、クリニックの集患は増加することが期待できます。
また、院内処方のクリニックであれば、介護支援事業者と連携することで、訪問薬剤指導などの業務を依頼される可能性もあります。

待ち時間の問題を解消する

クリニックの資金繰り改善につながる対策として欠かせないのが、待ち時間の問題を解消することです。
たとえ、懇切丁寧なサービスを行っているクリニックであっても、待ち時間が長ければなかなか集患が伸びず、経営状況を立て直すことができません。
そのため、オンライン予約システムを導入するなど、できる限り待ち時間を減らすための工夫をしましょう。
また、待ち時間をクリニックの電光掲示板、あるいは患者のスマートフォンで確認できるようにするなど、待ち時間の可視化を実施することも大切です。

まとめ

ここまで、クリニックが資金繰りに苦しむ理由やその改善方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
今後の成長性が見込める調剤薬局であれば、M&Aにおいて引く手数多になる可能性もありますし、事業承継も比較的スムーズに行えることが期待できます。
つまり、今後クリニックがどのような道を辿ることになろうとも、資金繰りを良化させるに越したことはないということです。


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