クリニックの建築費用を節約する方法について解説します


クリニックを一から建設し、開業する場合、賃貸とは比べものにならないほどのコストが発生します。
そのため、可能な限り支出を抑え、開業直後のキャッシュフローを圧迫しないようにしなければいけません。
今回は、クリニックの建築費用相場や、建築費用を節約するための方法について解説したいと思います。

目次

クリニックの建築費用相場

クリニックを一から建築する場合、イニシャルコストとしておよそ4,000万円~6,000万円かかると言われています。
坪単価に換算すると90~100万円/坪です。
ただし、クリニックの建築費用は、診療科目ごとに求められる構造や設備の種類にも影響されるため、当然上記の金額を超える可能性はあります。
例えば、クリニック内にX線を導入する場合、X線専用の部屋と設備が必要になります。
このようなケースでは、当然費用が高くなりますし、逆に問診が多く、治療にもそれほどスペースを必要としない診療科目であれば、多少建設費用は安くなります。
ちなみに、クリニックを開業するにあたっては、建築費用の他にも宣伝広告費、備品の購入費用、医師会への入会金などさまざまな費用が発生するため、こちらも計算に入れておかなければいけません。

クリニックの建築費用を節約する方法

クリニックの建築費用を少しでも節約するためには、以下の方法を実践することをおすすめします。

・相見積もりで業者を選ぶ
・設計、施工を同一の業者に依頼する
・内装材や仕様を工夫する
・一部の設備は自身で手配する

相見積もりで業者を選ぶ

相見積もりとは、複数の業者に対し、同じ条件で見積もりを出してもらうことをいいます。
こうすることで、工期など費用以外の条件も比較でき、比較的クリニックの建築や内装工事に慣れた業者を選定することができます。
ちなみに、各社の見積もりをチェックする際には、建築に必要な諸経費をすべて確認するのはもちろんのこと、設計図と見積書の床面積も確認すべきです。
平面図や仕様書などに記載されている建築物床面積と、見積書の床面積が稀に異なっていることがあるため、見落とさないように注意してください。

設計、施工を同一の業者に依頼する

設計と施工を同じ業者に依頼することでも、クリニックの建築費用はある程度節約することができます。
このような発注方法にすることで、クリニックの工事はスムーズに進みますし、業者によってはセット割りのようなサービスがつくことも考えられます。
また、設計と施工を分離発注した場合に比べ、工期も短縮することができるため、早期の開業が可能となり、収入面でもメリットが生まれます。

内装材や仕様を工夫する

クリニックの建築費用を抑えるためには、内装材や仕様に工夫を凝らすことも大切です。
例えば、内装材に関しては、本物のタイルではなく化粧板や塩ビタイルといったプリントされた素材に変更することをおすすめします。
また、仕様については、クロスを量産クロスに変更、収納棚の扉をなくすなど、細やかな変更をすることにより、節約につながります。
ちなみに、インテリア等のオーダー品に関しても、なるべく既製品にする方がコストは抑えられますが、クリニックのグレードを下げたくないというのであれば、患者さんから見えない部分のみを既製品にするなど、使い分けることで調整が可能です。

一部の設備は自身で手配する

クリニックにはさまざまな設備を設置する必要がありますが、待合室や院長室、事務所等の事務机やイス、ゴミ箱といったものは、業者を挟んで設置することにより手数料が追加され、定価よりも高額になってしまいます。
もちろん、業者に依頼することで、自身で探す手間が省けたり、デザインの統一感が出たりといったメリットはありますが、建築費用を抑えることを優先したい場合は、サイズや色味に関する相談のみを業者に行い、後は院長先生自身が手配することをおすすめします。

クリニックの建築費用を抑える際に注意したいこと

クリニックの建築費用は、一般的な住宅などと同様に、建物の広さや素材の質を落とせば、比較的簡単に下げることができます。
しかし、費用を抑えることばかり考えていると、「室内の温度管理ができていない」「通路が狭くて移動しづらい」「医療設備が整っていないから、ここでは治療してほしくない」など、患者さんからさまざまな不満が出てしまいます。
そうなると、居心地が悪く使いにくいクリニックとなり、悪い噂ばかりが広まることで、一向に集患数が増えなくなってしまうため、無駄な設備や建築費用を抑えて開業するとしても、医療施設に本来求められるものは絶対に外してはいけません。

まとめ

ここまで、クリニックの建築費用相場、建築費用を抑える具体的な方法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
クリニックの建築費用は、患者さんに満足していただける環境をしっかり整えつつ、上手に工夫して節約することが大切です。
大幅な節約を実現できたとしても、開業直後から集患に苦戦したり、十分な医療を提供できなかったりしては意味がありません。


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