クリニックの開業資金を調達するための主な方法について


クリニックを開業する際には、物件の取得費や内装・設備工事費など、さまざまな費用がかかります。
そのため、ほとんどの開業医は、自己資金の投入だけでなく、別の方法による資金調達を検討します。
では、クリニックの開業資金を調達する方法には、一体どのようなものがあるのでしょうか?

目次

クリニックの開業資金を調達するための主な方法5選

クリニックの開業医は、主に以下の借入先を利用したり、制度を利用したりすることで、開業資金を調達します。

・日本政策金融公庫
・民間金融機関
・リース会社
・医師信用組合
・補助金、助成金

それぞれの特徴について詳しく見てみましょう。

日本政策金融公庫

日本政策公庫とは、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫を前身とする政策金融機関をいいます。
資金調達が困難なことが少なくない中小企業、小規模事業者を中心に、融資や信用保険などによる支援を行っています。
新たにクリニックを開業する場合、これまでの取引実績が乏しいことも多いですが、日本政策金融公庫はそのような方でも利用しやすく、クリニックの資金調達先としては、比較的メジャーな選択肢の1つです。
また、他の借入先と比べて低利であり、開業時に活用しやすい制度も揃っています。
その他、法人格を持たない個人事業主であっても、申し込むことができるのがポイントです。

民間金融機関

日本の金融機関は、主に民間金融機関と公的金融機関に大別されます。
ここでいう民間金融機関には、預金を取り扱う普通銀行、信託銀行、信用金庫などが該当します。
また、これらの民間金融機関の中には、クリニックの開業を対象として融資のプランを用意しているところも多く、融資限度額や金利、担保・保証人の必要有無などに関しては、各機関によってまちまちです。
そのため、場合によっては、融資限度額が3,000万円と定められている日本政策金融公庫よりも、有力な資金調達先を見つけられることも考えられます。
ちなみに、民間金融機関は審査から融資までがスムーズに行われるため、クリニック開業までの時間をできる限り短縮したいという方にもおすすめです。

リース会社

クリニックの開業時には、医療機器を始めとするさまざまな設備を導入しなければいけませんが、これらはすべて購入しなければいけないわけではありません。
リース会社を利用することで、設備工事にかかるコストは大幅に削減されます。
また、クリニック関連機器のリース会社の中には、開業資金の貸付を行っているところもあります。
そのため、資金や機器の貸し手を一本化したいという開業医の方にとっては、非常に便利です。
ただし、リース会社が行う貸付は、銀行が仲介を行う仕組みになっているため、その分金利は高く設定される傾向にあります。
審査基準はそれほど厳しくなく、迅速な資金調達が可能な方法ではありますが、借入に伴うコストをなるべくカットしたい場合は、別の選択肢も候補に入れることをおすすめします。

医師信用組合

医師信用組合とは、各地域の医師や医療機関を対象とした職域信用組合のことをいい、こちらでもクリニック開業向けのローンが提供されていることがあります。
医師信用組合は、医師会員の相互扶助を目的とした特殊な金融機関であるため、借入における金利や返済期間といった条件に関しては、有利な条件が設定されていることも多いです。
また、借入金の対応使途も幅広く、物件の取得費や工事費の他、医療機器の購入費用、運転資金、自動車購入費などとしても使用することが可能です。
ただし、医師信用組合のローンを利用するためには、必ず医師会と組合に加入しなければいけません。
その他、県外に転出した場合、追加融資が受けられなくなる点についても注意が必要です。

補助金、助成金

クリニックの開業資金は、政府機関や地方自治体が運営する補助金、助成金によって調達することも可能です。
具体的には、以下のようなものが該当します。

・創業補助金
・事業承継・引き継ぎ補助金
・トライアル雇用補助金

創業補助金は、クリニック開業などの創業時に国、地方公共団体が必要な経費の一部を補助してくれるものであり、事業承継・引き継ぎ補助金は、事業承継をきっかけとした新たな取り組みに対して支給される補助金です。
また、トライアル雇用補助金は、就業が困難な求職者について、ハローワークなどを通して一定期間雇用した場合に、助成金の支給を受けることができる制度です。
こちらはクリニックの開業時ではなく、開業後に支給される補助金ですが、クリニックは実質的に開業資金の負担を軽減させることができます。

まとめ

ここまで、クリニックの開業資金を調達するための主な方法、それぞれの特徴について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
クリニックの規模や開業するエリアなどによって、利用できる資金調達の方法は変わってきます。
そのため、まずは自院がどのような融資、補助金や助成金の対象なのかを徹底的に洗い出し、選択肢を広げた上で、適切な選択を行うことが大切です。


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