クリニックにおける駐車場の地面に使用する素材について


クリニックを建築する際、意外とチェックするのを忘れがちなのが駐車場です。
駐車場は、主に間口から出入口までのアプローチの間に設置されますが、このとき地面の素材に何を選ぶかによって、使い勝手や患者さんに与えるイメージは変わってきます。
ここからは、駐車場の地面に使用できる素材の特徴を見ていきます。

目次

駐車場の地面に使用できる主な素材

クリニックの駐車場における地面では、主に以下の素材が使用できます。

・砂利
・コンクリート
・タイル
・木材
・芝
・ローラーストーン

では、それぞれの素材の特徴を見ていきましょう。

砂利

駐車場の地面を砂利にする場合は、広範囲に敷き詰めるのが一般的です。
月極の青空駐車場などでよく見られるタイプです。
砂利敷きの良いところは、やはり他の素材に比べて費用が抑えられるところと、施工が簡単なところです。
また、踏むたびに音がなるため、駐車場付近のセキュリティ性も高くなります。
ただし、砂利の隙間にある土やホコリが舞うことで、車が汚れやすくなったり、車を動かした際に跳ねた石が車体、ホイールを傷つけたりする可能性があります。
さらに、砂利の下は土のため、雑草の手入れが面倒になることも考えられます。

コンクリート

砂や砂利、セメントや水を使って凝固させたものがコンクリートで、クリニックの駐車場ではよく使用されます。
コンクリートのメリットは、耐久性が高いところと、傷が付きにくいために維持費が安く抑えられるところです。
ただし、コンクリートで舗装する場合は、車を載せられる硬さになるまで乾かさなければいけません。
そのため、工事をしてもすぐは駐車場が使えない可能性があります。
また、表面が平らで凹凸のない仕上げにすると、見た目は非常に綺麗になりますが、雨が降ると滑りやすくなります。
患者さんの転倒などのリスクを減らしたい場合は、刷毛仕上げなどによって滑りにくくしておきましょう。

タイル

粘土を板状にして焼いたものがタイルです。
駐車場の地面にタイルを使用するメリットは、なんといってもデザイン性の高さです。
車が載る地面は無機質になりがちですが、タイルを使用すれば暖かみのある色合いになります。
また、駐車場の地面に使用できるようなタイルは、硬く焼き締められた丈夫なものに限定されるため、吸水率が低く汚れにくいです。
一方、タイル貼りには費用がかかりやすいというデメリットもあります。
タイルを貼るには、まずコンクリートで下地を作る必要があるため、材料価格や施工費が別々にかかってしまいます。

木材

駐車場の地面に使用できる木材には、主に枕木が挙げられます。
こちらは、本来線路で使用される木材で、雨雪にも耐えられるよう薬剤が塗布されています。
また、枕木を使用すれば、木材ならではの独特な雰囲気を出すことができますし、汚れすらもデザインに見えるため、あまり気になりません。
しかし、木材は時間が経てば腐食しますし、腐食を放置していると、ささくれで車のタイヤが傷む可能性があります。
もちろん、シロアリ被害に遭う可能性もあるため、5年ほどのスパンで定期的に取り換えるか、セメントで固めて設置することをおすすめします。

こちらは、人工芝を駐車場一面に敷くという方法です。
人工芝を敷けば、綺麗な緑の景観を生み出せますし、転んでもケガをしにくくなります。
また、カラー人工芝を使用すれば、駐車ラインも描けます。
地面が土の場合は、コンクリートの工事と比べて設置費用を抑えられるのもメリットでしょう。
しかし、人工芝ではタイヤとの摩擦が起こりやすく、人工芝の葉は数年でクシャクシャになってしまいます。
そのため、メンテナンスの際は大規模な張り替えが必要になります。
メンテナンスの頻度をなるべく短くしたいのであれば、タイヤが通る部分のみをコンクリートにするなどの工夫が必要です。

ローラーストーン

ローラーストーンとは、さまざまな施工技術を駆使して、凹凸がある石に見せる仕上げ方法をいいます。
擬似石張りとも呼ばれています。
本物の石は使用せず、デザインによって乱石張りやタイル張りのようにもできます。
また、希望があれば、好きなロゴや文字などを入れたり、一部のみタイル、レンガ調にしたりすることも可能です。
色などの自由度も高く、土間コンクリートに比べて劣化や色ムラなども起こりにくいため、長持ちさせられるところも大きなメリットです。
ただし、砂利敷きや土の場合、タイル同様一度コンクリートの下地を作る必要があるため、施工費用はかかりやすくなります。
また、比較的新しい技術であるがゆえに、まだまだ取り扱っている業者が少ないのもデメリットだと言えます。

まとめ

ここまで、クリニックにおける駐車場の地面に使用できる素材の特徴を見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
もちろん、車を停めるスペースさえ確保できれば、駐車場として成立させることはできます。
しかし、長い間患者さんに愛されるクリニックにするには、機能性やメンテナンスのしやすさなどを考え、最適な素材を選ばなければいけません。


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