開業医という立場を退いた後、住み替えを検討している方の中には、売却から購入までスムーズに行くものと考えている方もいるかと思います。
しかし、実際はそうとは限りません。
なぜなら、現在居住している戸建て住宅は、売却が難しい物件かもしれないからです。
では、具体的にどのような戸建て住宅が売れにくいのでしょうか?
目次
売却が難しい戸建て住宅5選
以下のような戸建て住宅は売却に苦戦する可能性があるため、住み替えを行う際には注意すべきです。
・不整形地にある戸建て住宅
・再建築不可物件の戸建て住宅
・二世帯住宅
・オリジナリティがありすぎる戸建て住宅
・周辺施設が整っていない戸建て住宅
不整形地にある戸建て住宅
不整形地に建っている戸建て住宅は、売却する際に苦戦することが予想されます。
不整形地とは、簡単にいうと変わった形状をしている土地のことをいいます。
皆さんもよく目にするものでいうと、間口が狭くて奥の敷地が広くなっている旗竿地、文字通り三角形になっている三角地などが該当します。
また、なぜ不整形地の戸建て住宅が売れにくいのかというと、通常の整った土地(整形地)よりも建築の規制が多いからです。
つまり、建て替えをしたい方などには敬遠されやすいということです。
ちなみに、旗竿地等の不整形地は、間口が狭いために建築用重機が敷地内に入れず、手作業でしか建築工事が行えないこともあります。
これにより、建築費用が高くついたり、工期が長くなってしまったりすることも、不整形地の戸建て住宅が好まれない理由だと言えます。
再建築不可物件の戸建て住宅
再建築不可物件に建つ戸建て住宅も、買い手探しには難儀することが予想されます。
法律上、既存の建物を解体し、新しく建て直すことができない土地を再建築不可物件といいますが、こちらが敬遠されやすいのは、皆さんもよくお分かりだと思います。
再建築ができないと、買主は基本的に購入時建っている建物に居住するしかありません。
また、再建築不可物件では、自然災害等によって倒壊した建物を建て直すこともできないため、買主にとっては非常にリスクが高いものとなります。
もっといえば、再建築不可物件は物件担保としての評価が低いため、購入時に住宅ローンの対象とならないことも考えられます。
買主の多くは住宅ローンを利用し、戸建て住宅を購入しようと考えるため、これはかなりのデメリットです。
二世帯住宅
二世帯住宅も、スムーズには売却できない可能性が高いです。
なぜなら、建て売りの二世帯住宅を購入しようと考える方は、ほとんどいないからです。
二世帯住宅は、親世帯、子世帯が快適に暮らせるように、こだわりを持って設計されるものです。
つまり、すでに完成された二世帯住宅は、基本的には買い手の二世帯が住みやすいものではないということです。
また、二世帯住宅は、通常の戸建て住宅よりも面積が広く、大きな建物である可能性が高いです。
そのため、売り出し価格も高くなりがちであり、一世帯で住むファミリーなどにはなかなか購入してもらえないことが予想されます。
オリジナリティがありすぎる戸建て住宅
オリジナリティがあまりにも強い戸建て住宅も、売却には苦戦する可能性が高いです。
例えば、外装が鮮やかな色だったり、独特な間取りだったりする戸建て住宅です。
戸建て住宅を購入しようとする方は、基本的にシンプルなデザイン・設計のものを求めています。
自分のライフスタイルや趣味に合わない家には、誰も住みたいと思いません。
また、買主の中には、最初からリノベーションすることを前提に、中古の戸建て住宅を購入しようとする方もいます。
このような場合も、シンプルな間取りの方が自由にリノベーションしやすいため、オリジナリティが強い物件は不利になります。
つまり、将来戸建て住宅を売却するつもりなのであれば、汎用的なデザインを保って生活する方が良いということです。
逆に、オリジナリティ溢れる戸建て住宅にするなら、売却できないことも覚悟しておくべきです。
周辺施設が整っていない戸建て住宅
周辺施設が充実していない戸建て住宅も、売却は長期化するおそれがあります。
戸建て住宅の買主としては、圧倒的にファミリー世帯が多いです。
また、ファミリー世帯は単身世帯と比べて、周辺施設が充実しているかどうかに重点を置きやすいです。
例えば、「子どもの学校は近い方が良い」「買い物がしやすい環境が良い」「家族が体調を壊したときのために、病院は近い方が良い」などと考える世帯は多いです。
もちろん、周辺施設だけでなく、周辺環境が良くない戸建て住宅も、ファミリー世帯相手にはなかなか売れなくなることが予想されます。
ファミリー世帯の中には、幼い子どもがいるところも多く、そのような家庭では、住宅周辺の防犯性も重視されがちです。
そもそも、周辺施設が少なく、なおかつ周辺環境も良くない戸建て住宅は、単身世帯や余生を過ごす高齢者の方相手でも、なかなか購入してもらえない可能性が高いです。
まとめ
ここまで、開業医の方が住み替えをする際、スムーズに売却するのが難しい戸建て住宅について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
住み替え時の物件売却が長期化すると、理想とするセカンドライフのプランは崩れてしまう可能性がありますし、場合によっては経済的に苦しくなることも考えられます。
そのため、自身の持つ物件の特徴を把握した上で、総合的に開業医の引退時期や住み替えの時期を判断してください。