【クリニック開業】リノベーション済物件のメリット、デメリット


クリニックの開業に伴い中古物件を購入することがありますが、中古物件には、現況のまま引き渡されるものと、すでにリノベーションが済んだものの2種類があります。
では、リノベーション済の中古物件には、一体どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
詳しく解説したいと思います。

目次

リノベーション済物件のメリット

すでにリノベーションが済んでいる中古物件のメリットには、主に以下のことが挙げられます。

・割安である
・設備が新しいケースが多い

割安である

リノベーション済物件の中には、大規模な工事によって新築同様のグレードになっているものもあります。
しかし、当然新築物件よりは価格が安いケースが多いため、割安に感じられることも多いでしょう。
具体的には、新築の同じ条件の物件と比べて、2割程度購入価格が安くなります。
うまく物件選びをすれば、新築よりもグレードが高いリノベーション済物件を安く購入できる可能性もあるため、こちらは大きなメリットです。
特に、都心部など新築物件の価格が高いエリアでは、このような戦略が必須だと言えます。

設備が新しいケースが多い

リノベーション済物件に備え付けられている設備は、新しいものであるケースが多いです。
例えば、以下の設備に関しては、新しいものに交換されている可能性が高いです。

・トイレ設備
・入浴設備
・給湯設備
・電灯
・扉
・窓
・フローリング など

これらの新しい設備があることで、比較的早くクリニックを開業できますし、まるで新築に入居したかのような気分を味わうことも可能です。
もちろん、新しい設備は患者さんにとっても魅力的であり、こちらは集患数のアップにもつながります。

リノベーション済物件のデメリット

続いては、リノベーション済物件にどのようなデメリットがあるのかを見てみましょう。
具体的には、以下のことがデメリットとして挙げられます。

・耐震性が低い場合がある
・独特な物件は売却しにくい
・今後リノベーションが不要とは限らない
・共用設備は古いままの可能性がある

耐震性が低い場合がある

リノベーション済物件は、新築同様のグレードになっているケースがあるという話をしました。
しかし、それはあくまで仕様やデザインの話です。
例えば、築40年前後の中古物件の場合、新耐震基準が適用されていないことがあり、このような物件は、いくら外見が綺麗でも、耐震性には不安が残ります。
もちろん、耐震補強がされていれば、ある程度の耐震性が保障されますが、築年数が古い場合は、慎重に購入するかどうか判断しましょう。

独特な物件は売却しにくい

クリニックの物件を購入する際は、「どれだけ安く買えるか」「どれだけ設備が整った物件を買えるか」ということばかり考えていてはいけません。
「将来売れるかどうか」「活用できるかどうか」も、重要なチェックポイントです。
しかし、リノベーション済物件の中には、前所有者の好みが強く反映されているものもあります。
そのような物件は、お世辞にも売却に向いているとは言えません。
例えば、自身が開業しようとしているクリニックのコンセプトに合わないデザインである場合などがこちらに該当します。
買い手が付きやすいのは、さまざまな業種で活用することのできるシンプルなデザインの物件であるため、売却時のことを重視する方、将来貸し出すことなどを想定している方にとって、リノベーション済物件はデメリットが大きいと言えます。

今後リノベーションが不要とは限らない

「リノベーション済物件を購入すれば、もうリノベーションは必要ない」と考えている方もいるかもしれませんが、こちらは大きな間違いです。
すべての箇所や設備がリノベーションされているとは限らないため、入居後不備が出てきた部分に関しては、適宜リフォームやリノベーションをしなければいけません。
また、客層やニーズの変化などにより、間取りや設備を変更したいというような場合もリノベーションは必要なため、勘違いしないようにしましょう。

共用設備は古いままの可能性がある

リノベーション済物件がマンションやオフィスビルの一室である場合、専有設備のみが新しく、共用設備は古いままになっている可能性があります。
例えば、室内には最新の設備が付いているにも関わらず、マンションやビル内のエレベーターは古いままといったようなケースです。
この場合、必ずしも快適にクリニックを経営できるとは限りませんので、注意しましょう。
もちろん、不便な共用設備は、患者さんの利便性にも影響を及ぼす可能性があります。

まとめ

ここまで、リノベーション済物件の良し悪しについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
リノベーションの費用や手間を省き、なおかつ新築に近いグレードの物件を購入できるのがリノベーション済物件の魅力ですが、見過ごしてはいけないデメリットがあるも確かです。
よって、購入を検討する場合は、必ずメリットとデメリットを天秤にかけたり、賃貸物件と比較したりすることを忘れないようにしましょう。


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