これから住み替えをする開業医の方の中には、新しい住まいとして、一戸建てではなく新築マンションを選ぶ方もいるかと思います。
ただし、新築マンションを購入するのであれば、事前に流れをシミュレーションしておき、重要なポイントを押さえなければいけません。
詳しく解説します。
目次
広告の見方について
新築マンションの広告には、オシャレなインテリアで飾られたモデルルームの写真や、豊かな緑に包まれた外観の写真などが掲載されています。
今後購入を検討している方は、こちらを見るだけでもワクワクしていることでしょう。
しかし、本当にチェックしなければいけないのは、快適な生活をイメージさせる写真ではなく、広告に記載された物件の詳細情報です。
具体的には、物件概要や融資に関する事項などが挙げられます。
特に注意して見るべきなのは、融資に関する事項です。
「月々の〇万円のお支払いから」という記載がよくありますが、こちらはほとんどのケースで、以下のことを前提にした支払額となっています。
・もっとも安い価格の部屋の場合
・35年ローンを組んだ場合
・短期固定型で優遇金利を利用して計算した場合の当初の支払い額
・管理費、修繕積立金等の費用を含まない
つまり、その新築マンションの購入し、月々支払うことになる金額は、実際にはもう少し高くなるということです(旧居の売却資金が残る場合は除く)。
広告を見るのであれば、こちらのポイントは必ず押さえておきましょう。
申込証拠金、手付金について
新築マンションを購入する際には、申込証拠金という金銭が発生することがあります。
こちらは、購入する意思があるということを示すために、一時的に不動産会社に預けるお金です。
つまり、支払われるのは申し込み時だということです。
金額でいうと、2~10万円程度に設定されるのが一般的です。
また、手付金は、新築マンションの購入代金の一部として、不動産会社に預ける金銭をいい、発生するのは売買契約時です。
金額は物件価格の5~10%程度のため、申込証拠金よりもかなり高額です。
例えば、3,000万円の新築マンションの購入する場合、150~300万円もの手付金を用意しなければいけません。
ちなみに、申込証拠金は、実際そのマンションを購入することになったとき、手付金の一部に充当されます。
事前内覧会について
中古マンションの場合は、すでに建物が完成しているため、先に内覧をして、その後申し込みや売買契約に進んでいくのが一般的です。
しかし、新築マンションの場合、申し込み前の時点でまだ建物が完成していないことも珍しくありません。
そこで実施されるのが、事前内覧会というものです。
こちらは、売買契約を交わした後、つまり引っ越し前に行われる、新しく完成した新築マンションのお披露目会のことです。
買主の方は、ここで初めて完成したマイホームを見ることになります。
ちなみに、事前内覧会は完成した物件をただ単に見るだけでなく、不具合や問題がないかをチェックする場でもあります。
具体的には、以下の点をチェックしましょう。
・図面通りに施工されているか
・ドアやサッシ、キッチン設備などは問題なく動作するか
・クローゼット、カーテンレール、給気口などはしっかり固定されているか
・水漏れはしていないか
・点検口内にカビは発生していないか
・その他キズ、汚れはないか など
この時点で問題が見つかった場合は、入居までに改善してもらうよう、不動産会社に伝えておきましょう。
原則、入居後に補修等を行ってもらうことはできません。
入居予定日について
新築マンションには、「この日から入居できます」という入居可能日が定められています。
こちらはもちろん、建物が完成していない間は入居できないからです。
しかし、買主が引っ越しの日時を自由に決定できるようなシステムだと、各買主が同じ日(入居可能になった初日)に転居してくる可能性が高くなります。
せっかくマンションを購入したのであれば、誰もができるだけ早く入居したいと考えるため、こちらは当然のことです。
しかし、1棟のマンションに対し、一気に引っ越しをする方が訪れると、周辺には引っ越し業者の車がたくさん停まることになる上に、各買主の引っ越しもなかなか進みません。
このような状況を防ぐために、新築マンションでは、事前に入居説明会を設け、そこで各買主における入居日時の調整が行われています。
つまり、入居可能日が定められているとはいえ、必ずしも最短で入居できるとは限らないということです。
「すでに自分の物件になっているのに」と納得いかない方もいるかもしれませんが、問題が発生する可能性を考えれば、こちらは致し方ありません。
まとめ
ここまで、住み替えを行う開業医の方が新築マンション購入時に押さえておくべき、重要なポイントをいくつか解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
マンションを購入したことがない方にとっては、初めて聞く事実やポイントも多かったのではないかと思います。
ただし、前述のポイントを押さえておけば、初めての新築マンション購入において、大きな失敗をする可能性はそれほど高くありません。