開業医の方が、住み替えに伴う不動産売却を行うには、あらゆる書類が必要です。
その中には、誰もが必ず用意しなければいけないものもあれば、特定の売主のみ用意が必要なものもあります。
今回は、状況によっては用意しなければいけない不動産売却関連の書類や、できれば持っておいた方が良い書類などについて解説します。
目次
状況によっては用意しなければいけない書類
以下の書類は、特定の状況に当てはまる売主のみ、用意する必要があります。
・住民票
・ローン残高証明書、ローン返済予定表
・地積測量図、境界確認書
・耐震診断報告書
住民票
住民票は、住民の居住関係を公の証明する書類です。
氏名や生年月日、性別や住所、住民となった年月日などが記載されています。
売却する不動産における登記上の住所と、売主の現住所が異なる場合は、住民票を用意しなければいけないため、覚えておきましょう。
ちなみに、用意するのは発行から3ヶ月以内のものです。
ローン残高証明書、ローン返済予定表
ローン残高証明書は、その年の年末時点の借入残高を証明するもので、ローン返済予定表は、借入金の今後の返済予定が記載されている書類です。
売主がまだローンを返済中の場合は、必ずこれらの書類を用意しなければいけません。
地積測量図、境界確認書
地積測量図は、一筆の土地の地積に関する測量結果を明らかにする図面で、境界確認書は、隣地との土地の境界を明確するために測量を行い、その結果確定した境界を証明する書類です。
戸建て物件、もしくは土地を売却する場合は、売却範囲を確認するために、これらの書類を提出しなければいけません。
耐震診断報告書
耐震診断報告書は、現地調査結果や耐震診断結果、診断者の所見などをまとめた書類です。
売却前に物件の耐震診断を行っている場合に用意する必要があります。
可能であれば用意した方が良い書類
続いては、必ずしも用意しなければいけないわけではないものの、可能であれば提出したい書類を見ていきましょう。
・物件購入時の契約書
・物件購入時のパンフレット
・住宅性能評価書
・マンションの使用細則
・マンションの維持費に関する書類
物件購入時の契約書
売却する物件を購入した際の契約書は、できる限り用意しましょう。
なぜなら、これがない場合、物件取得費が売却価格の5%と、極端に安くなってしまうからです。
一方、契約書があれば、正確な取得費を算出することができるため、譲渡所得に課税される税金を抑えられます。
ちなみに、購入時の契約書がないと、そこに記載されていた瑕疵を買主に伝え忘れ、トラブルに発展する可能性もあるため、注意しましょう。
物件購入時のパンフレット
売却する物件の購入時は、当該物件のパンフレットやチラシを取得していることもあります。
この書類も、できれば用意しておいた方が良いでしょう。
パンフレットやチラシには、物件の詳細や取引条件などが記載されているため、不動産売却時には何かと参考にできます。
なるべく綺麗な状態で保管されたものを、買主に手渡すことができればベストです。
住宅性能評価書
住宅性能評価書は、住宅性能表示制度に基づいて発行される書類で、対象物件における10分野32項目に1~3点の評価を与えていくものです。
わかりやすくいうと、物件の通知表のようなイメージです。
こちらを提出すれば、買主に対して住宅の客観的な評価を伝えることができるため、スムーズな不動産売却につながります。
その他、買主に安心感を与えるために用意すべき書類としては、地盤調査報告書や、既存住宅性能評価書などが挙げられます。
マンションの使用細則
マンションを売却する開業医の方は、使用細則を用意した方が良いでしょう。
こちらは、マンション内での共同生活を円滑に行うために定められたルールについて書かれた書類で、管理規約をより詳細に規定しています。
できる限りトラブルを避けたい買主にとって、購入するマンションの細かいルールは重要な情報です。
そのため、こちらを手渡すことで、売主の評価アップが期待できます。
マンションの維持費に関する書類
マンションを売却する場合は、維持費に関することが記載された書類も準備した方が良いでしょう。
具体的には、以下の費用について書かれた書類です。
・管理費
・修繕積立金
・管理組合費
・町内会費 など
買主は、マンション購入後にも上記のような費用を負担しなければいけないため、これを前もって把握してもらうためには、書類を手渡すのがもっとも手っ取り早いです。
管理組合または管理会社に問い合わせをすれば、発行してもらえる可能性は高いです。
まとめ
ここまで、不動産売却において、特定の売主が用意すべき書類、できれば用意した方が良い書類についてご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
前述した書類は、すべての不動産売却で必要になるわけではないため、開業医の方はまず自身の置かれた状況を整理するところから始めましょう。
もちろん、他にも用意しなければいけない書類は数多くあるため、なるべく余裕を持って取得の段取りをしてください。