開業医の方が住み替えに伴い、現在所有するマイホームを売却した後は、当然新しい住まいに移ります。
では、不動産売却に伴う転居は、一体どのタイミングで行えば良いのでしょうか?
また、転居の際には、どのようなポイントを押さえておくべきなのでしょうか?
今回はこれらの点について、詳しく解説したいと思います。
目次
不動産売後に行う転居のタイミング
不動産売却後に行う転居は、売却物件の所有権が買主に移転する引き渡し日までに完了させる必要があります。
引き渡し日には、物件そのものや鍵を買主に引き渡すだけでなく、所有権移転登記や抵当権抹消登記なども同時に行わなければいけないからです。
つまり、引き渡し日が来た時点で、売主は当該物件に住む権利を失うため、それまでに転居を完了させなければいけないということです。
また、勘違いしてはいけないのが、引き渡し日までに転居しなければいけないということは、転居の準備を引き渡し日当日の1~2ヶ月前には始めておかなければいけないということです。
ちなみに、不動産の住み替えが買い先行の場合は、先に新居を見つけた状態で売主を探すため、転居の準備も比較的焦らずに行えます。
ただし、新居を購入したにもかかわらず、なかなか買主が見つからないという場合、維持費を二重払いしなければいけなくなります。
そのため、多少転居を急ぐ必要はあるものの、住み替えを行うなら売り先行をおすすめします。
転居時に押さえておくべきポイント
不動産売却後に行う転居には、タイミング以外にも押さえておくべきポイントがいくつかあります。
具体的には、以下のようなポイントです。
・繁忙期の転居について
・転居の手続きについて
・転居費用について
繁忙期の転居について
マイホームの買主が決定し、いざ転居の手続きを開始しようとしても、その時期が引っ越し業者の繁忙期である場合、なかなか業者が見つからないことがあります。
具体的には、新生活を始める方が多く転居を行う2~3月に、上記のようなことが起こりやすいため、注意しましょう。
業者の決定に時間がかかっている間に引き渡し日が来てしまうと、買主に多大な迷惑をかけてしまうおそれがあります。
もし、繁忙期に不動産売却、転居を行うのであれば、おおよその転居時期が判明した時点で、早めに引っ越し業者に問い合わせをしておき、スケジュールが合うかどうかを確認してください。
ちなみに、繁忙期は他の時期に比べて、引っ越し業者への依頼料も高くなっている可能性があるため、こちらもあわせて把握しておきましょう。
転居の手続きについて
不動産売却後に行う転居時には、以下のようにさまざまな手続きを行わなければいけません。
・子どもの転校手続き
・新居のネット開通手続き
・火災保険の住所変更手続き
・転出関連手続き
・住所変更手続き
・電気、ガス、水道など使用中止、開始手続き など
引っ越しの準備をすることばかり考えていると、これらの手続きを忘れてしまう可能性があるため、注意しましょう。
また、場合によっては、手続きを忘れることで不動産の買主に迷惑をかけてしまう可能性もあります。
転居費用について
不動産売却後に行う転居費用は、当然引っ越し業者に支払う依頼料だけではありません。
具体的には以下のような費用が必要なため、事前にどれくらいの金額になるのかをシミュレーションしておきましょう。
転居費用 詳細
転居作業にかかる費用 ・不用品の処分費用
・オプションサービス料金
・梱包資材の準備費用
・作業員への謝礼 など
不動産からの退去にかかる費用 ・修繕費
・ハウスクリーニング費用 など
その他 ・挨拶の手土産代
・新居のインテリア、電化製品等の購入費用
・住所変更手続きの手数料 など
戸建てへの転居の方が費用は高い?
一般的に、マンションよりも戸建て物件への転居の方が費用は高くなると考えられていますが、こちらは必ずしも正しいとは言えません。
なぜなら、不動産売却後に行う転居の費用(引っ越し業者への依頼料)の原価計算は、作業時間を基に考えられているからです。
また、作業時間は、以下のような計算式で算出されます。
・部屋からトラックまで1往復の運搬時間×部屋とトラックの往復回数
マンションよりも戸建て物件への転居の方が、依頼料が高くなると考えられているのは、戸建ての方が荷物の量が多く、上記の作業時間が長くなる可能性が高いからです。
しかし、マンションでも同じくらい荷物が多くなることはあるため、一概に戸建て物件の方は費用が高くなるとは言えないというわけです。
むしろ、同じくらいの荷物の量であれば、エレベーターや階段を行き来しなければいけないマンションの方が、作業時間は長くなる可能性もあります。
まとめ
ここまで、開業医の住み替えに伴う不動産売却後、転居をするタイミングやポイントについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
不動産の買主が決定するのは非常に喜ばしいことですが、いつまでのその余韻に浸っていてはいけません。
数ヶ月には、もう売主の所有物ではなくなるわけですから、スムーズに引き渡しができるように、期間に余裕を持って転居の準備を行いましょう。