医療法人における飲食費は全て交際費と見なされるのか?


医療法人における交際費として代表的なものに、飲食費が挙げられます。
また医療法人の院長の中には、この飲食費がすべて交際費になると思っている方もいるかもしれませんが、それは間違いです。
今回は、医療法人における飲食費が交際費とならないケースについて解説します。

目次

1人5,000円を下回れば交際費とは見なされない

医療法人における飲食費は、1人あたりにかかった金額が5,000円を下回る場合、交際費ではなく“会議費”としてカウントされます。
ただこれを確実に認めてもらうには、以下の記載がある領収書等を残しておかなければいけません。

・飲食をした日時
・飲食をした人物名、企業名、関係性
・飲食をした人数
・飲食費、店名、住所

海外出張が多い医療法人の院長の中には、海外での飲食費について、“海外ではあまり領収書がもらえないから、経費にはできないだろう”と考える方もいます。
ただ勘違いしてはいけないのは、たとえ領収書がなくとも、上記の項目を明らかにできるものがある場合、海外での飲食費も問題なく経費にできるという点です。

しっかり会議をしている場合は上限なし

先ほど、1人あたり5,000円以下の飲食費は、会議費としてカウントされるという話をしました。
ただこれはあくまで、“実際は交際費だけど、金額が少ないから会議費という扱いにしてあげよう”という制度です。
したがって、実際にしっかり会議をし、そこでかかった飲食費はもちろん会議費になりますし、5,000円を超える場合でも会議費として計上できます。
例えば別の医療法人の院長と会議を兼ねた食事会を開き、そのときの飲食費が1人あたり10,000円だったとしても、それは会議費としてカウントされるということになります。

医療法人は交際費を年間800万円以内に抑えられるのか?

医療法人では、年間800万円以上の交際費に法人税が課税されるルールになっています。
ただ先ほど解説したように、飲食費を会議費として計上できるケースなどもあるため、なかなか年間800万円を超えることはないように思います。
しかし、医療法人のスタッフ全員が参加していない忘年会などの費用は、福利厚生費ではなく交際費としてカウントされるため、従業員が10人以上いる医療法人では、年間800万円を超える可能性も十分あります。

まとめ

医療法人における飲食費は、すべて交際費としてカウントされるわけではないということを、わかっていただけたでしょうか?
医療法人は、金額に注意し、会議費として認めてもらうための領収書等を用意しておくことで、多少交際費を抑えることができます。
ただしっかり管理していないと、法人税が一気に数百万単位で課税されることもあるため、注意しましょう。


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