皮膚科で扱う疾患は、炎症や感染、腫瘍や遺伝性疾患など極めて広い分野に渡り、乳幼児から高齢者まであらゆる層を対象としています。
今回は、そんな皮膚科の平均患者数や、1日当たり単価などのデータ、そして皮膚科という診療科目の特徴について解説したいと思います。
目次
皮膚科の平均患者数は多いのか?それとも少ないのか?
クリニックにおける平均患者数は、診療科目によって大きく異なります。
もちろん、科目によって診療報酬体系が異なるため、損益分岐点も大きく変わってきます。
平成26年に発表された“医療施設調査”のデータによると、皮膚科の平均患者数は、60.4人(1ヶ月23日で計算)となっています。
これは他の診療科目と比べると、比較的多い数字です。
もちろん、整形外科や耳鼻咽喉科など、皮膚科よりも平均患者数が多い診療科目も存在しますが、心療内科などの平均患者数が少ない科目と比べると、その差は歴然です(心療内科は33.7人)。
そのため、皮膚科の経営では、平均患者数を増やせるように、効率良く経営を回す取り組み(順番待ちのシステム改善など)を行う必要があるのです。
皮膚科の1日あたり単価はどれくらい?
“支払基金”が提供している統計データによると、皮膚科の1日あたり単価は、391円となっています。
これははっきり言って、他の診療科目と比べても、かなり低い数字だと言えます。
ちなみに、内科の1日あたり単価は764円で、皮膚科の2倍近くあります。
つまり、皮膚科は平均患者数が多いものの、決して簡単に利益を上げられる診療科目ではないということです。
皮膚科は比較的開業しやすい診療科目
皮膚科は、平均患者数が多いものの、1日あたり単価の少ない診療科目だと解説しました。
ただ、皮膚科には、他の診療科目と比べて、比較的開業しやすいというメリットがあります。
なぜかと言うと、開業時に最低限必要な機器は、顕微鏡やオートクレープくらいであり、それほど導入コストがかからないためです。
また、皮膚科は緊急性の高い疾患が少なく、開業コストを抑えられることから、ここ数年で医師数を増加させており、特に女性医師の増加が目立ちます。
まとめ
ここまで、皮膚科の平均患者数、1日当たり単価などのデータ、そして皮膚科という診療科目の特徴について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
皮膚科の経営を成功させるには、集客と効率的な診察、治療体制の整備をしなければいけません。
ただ、開業のハードルは、他の診療科目と比べて決して高くないと言えるため、綿密な経営計画を立てれば、成功への道は見えてきます。