開業医の中には、土地から購入し、そこにクリニックを建築しようと考える方もいます。
また、その際に悩むポイントの1つとして、狭い土地を購入するか、広い土地を購入するかということが挙げられます。
ここからは、物件購入時、狭い土地を選ぶこと、広い土地を選ぶことのメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
目次
狭い土地のメリットについて
まずは、物件購入時、狭い土地を選ぶことのメリットを見ていきましょう。
・価格が安い
・税金が安い
・メンテナンスの負担が少ない
価格が安い
狭い土地を購入することのメリットは、やはりなんといっても価格がリーズナブルであることです。
また、狭い土地は、周辺の相場より坪単価が安くなることも珍しくありません。
なぜなら、一般的に狭い土地には不便というイメージがあり、あまり買い手が付かないことが多いからです。
税金が安い
クリニックを建てる際、狭い土地を購入することのメリットには、税金が安いということも挙げられます。
所有地にかかる固定資産税は、固定資産の評価額に標準税率をかけることで算出されますが、狭い土地であれば基本的に固定資産評価額は低くなります。
そのため、狭い土地を購入した後には、高額な税金を負担し続けるという心配がほとんどありません。
メンテナンスの負担が少ない
狭い土地を購入し、クリニックを建築する方の中には、空いたスペースに庭などを設けようと考える方もいるかと思います。
しかし、庭があまりにも広すぎると、草が生い茂ったり、虫が発生したりしやすくなり、メンテナンスの負担も大きくなります。
その点、狭い土地の場合、それほど広い庭は設けられないものの、メンテナンスの負担はかなり軽減できます。
狭い土地のデメリットについて
一方で、物件購入時に狭い土地を選ぶことには、以下のようなデメリットもあります。
・広いクリニックが建てられない
・階数が増えやすい
・日当たり、風通しを確保しにくい
広いクリニックが建てられない
狭い土地を購入する場合、当然ですがそれほど大きなクリニックは建てられません。
もちろん、クリニックの面積で土地の大半が埋まる可能性も高く、その場合は庭や駐車場などを設けるのも困難になります。
階数が増えやすい
クリニックの建築に伴い、狭い土地を購入することのデメリットには、階数が増えやすいということも挙げられます。
先ほども触れたように、狭い土地にはそれほど広いクリニックが建てられないため、必要な面積を確保していくと、ある程度階数の多い間取りになってしまうケースがよくあります。
また、階数が増えてしまうと、クリニックの患者さんにとっても、従業員にとっても不便になる可能性があります。
日当たり、風通しを確保しにくい
狭い土地の場合、周りも狭い土地であることが多く、隣り合う建物との距離も必然的に近くなります。
また、隣の住宅などがすぐ近くにあると、日の光が当たりにくくなったり、風が通らなくなったりする可能性が高いです。
広い土地のメリットについて
続いては、物件購入時に広い土地を選ぶことのメリットを見ていきたいと思います。
・広々とした庭、駐車場を設けられる
・間取りの自由度が高い
・プライバシーが守られる
広々とした庭、駐車場を設けられる
広い土地の場合、クリニックを建ててもまだスペースに余裕があるケースが多いです。
そのため、思惑通りの庭や駐車場をつくることができる可能性が高いです。
間取りの自由度が高い
クリニックの建築時、広い土地を購入することのメリットとしては、クリニックにおける間取りの自由度が高いということも挙げられます。
例えば、1階建てで広めのクリニックを建築したり、住宅兼クリニックを建築したりといったことも、広い土地であれば難しくないことが想定されます。
プライバシーが守られる
物件購入時、広い土地を購入すれば、プライバシーはある程度守られます。
なぜなら、土地が広い場合、隣り合う建物との距離が少し長くなるからです。
また、接道からクリニックまでの距離を空けることもできるため、通行人もしくは車からの視線もそれほど気になりません。
広い土地のデメリットについて
では、物件購入時に広い土地を選ぶことには、主にどのようなデメリットがあるのかを見てみましょう。
・取得費が高い
・税金が高い
・メンテナンスの負担が大きい
取得費が高い
当然ながら、土地は広ければ広いほど取得費が高くなりやすいです。
そのため、土地の取得費がかかりすぎて、肝心なクリニックの建築費用が足りないということも起こり得ます。
税金が高い
広い土地を選ぶと、購入時にかかる不動産所得税、そして維持費として支払う固定資産税の金額は高くなります。
そのため、預貯金やローンをギリギリまで使って広い土地を購入してしまうと、その後の経営や開業医の生活は苦しくなります。
メンテナンスの負担が大きい
広い土地には、広い駐車場や庭を設置することができますが、その分メンテナンスの負担も大きくなります。
例えば、庭の草むしりや落ち葉の処理、駐車場の清掃などの負担は、狭い土地とは比べものになりません。
まとめ
ここまで、狭い土地、広い土地にクリニックを建築することのメリット・デメリットを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
土地を購入する際は、狭すぎずなおかつ広すぎない物件を選ぶのがベストです。
どれくらいの広さを選べば良いのかわからない場合は、一度不動産会社に相談することも検討してください。