知っておきたい規則「患者紹介料の禁止」


平成26年4月から健康保険を利用している利用するクリニックや病院、薬局についての規則が改正されました。
その中でクリニックを経営していくにあたり理解しておくべきなのは、患者紹介を受けることで金品や報酬の受け渡しをすることを禁止するというものです。

これらは有料老人ホームなどの介護施設からクリニック・病院などの医療機関への紹介についても規制対象となるので注意が必要です。
規則を知らずに介護施設等から紹介料の受け渡しをすると違法となってしまいますので、しっかりと規則を理解しておきましょう。

改正された法令は厚生労働省の「保険医療機関及び保険医療養担当規則」という規則です。
一般的に「療養担当規則」または「療担規則」と省略して呼ばれています。以下に規則を抜粋して紹介します。

保険医療機関及び保険医療養担当規則
(一部抜粋)

(経済上の利益の提供による誘引の禁止)
保険医療機関は、事業者又はその従業員に対して、患者を紹介する対価として金品を提供することその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、患者が自己の保険医療機関において診療を受けるように誘引してはならない。

(経済上の利益の提供による誘引の禁止)
保険医療機関は、事業者又はその従業員に対して、患者を紹介する対価として金品を提供することその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、患者が自己の保険医療機関において診療を受けるように誘引してはならない。

規則の対象とポイント

この療担規則の対象は健康保険の適用指定を受けているクリニックや病院、薬局です。
美容整形などの自由診療のみ行っている場合にはこの療担規則の規制を受けません。

ポイントとして、健康保険適用の指定を受けているクリニックや病院、薬局であれば,「紹介を受けた患者が受診して健康保険を利用したかどうか」は関係なく、禁止事項に抵触します。
療担規則の違反行為が判明した場合には、罰則規定特にありませんが医療機関の業務停止、医師免許取消といった行政処分の対象になる可能性があります。(医師法4条4号、7条2項)

クリニックを経営していく上で介護施設などの他機関との繋がりをもつことはもちろん重要です。しかし、紹介料や金品の受け渡しという手段を選んでしまうと規則に抵触してしまうことはもちろん、クリニックの信用に関わってくるため注意しておきましょう。


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