クリニックの新規開業ではターゲットとしている地域内にある病院やクリニックと競合する可能性が高いといえます。医療業界を取り巻く厳しい環境の中、クリニックの開業で成功を納めるには、競合する病院やクリニックに勝ち続けることが絶対条件でしょう。そのためには競合する病院やクリニックについてよく知った上で対策を考えなければなりません。立地を決める段階でターゲットとする地域において競合する病院やクリニックが少ないということがベストではありますが、まずは競合相手を分析してから対策を検討していきます。どのようなことを分析していくのでしょうか?
目次
○クリニックの立地や外観、宣伝看板などの分析
まず、競合病院・クリニックの立地条件を比較します。競合病院・クリニックの方が好立地である場合には対策が必要となります。このようなケースでは地域住民に対して目立つ箇所に看板を設置するという方法が第一選択肢でしょう。自身のクリニックをさらに好立地な場所に移転するということは膨大なコストが必要となり、移転したとしても既存の患者様が離れてしまうというリスクもあり、なかなか現実的な案ではないでしょう。競合病院・クリニックよりも立地が良い場所が見つかるとは限りません。クリニックの立地に関しては分析を行なった結果、対策を打つことが難しいといえます。ただし、クリニックの立地条件は患者様が受診をするかどうか決める上で重要なポイントではあります。よってクリニックの開業を検討している時点で立地に関する診療圏調査の結果を精査し、慎重に決定しなければなりません。
○診療方針や診療時間などの分析
競合病院・クリニックの特徴や実態を調査しようとしても、その病院・施設に直接足を運び院内の調査をすることはなかなかできないでしょう。基本的には競合病院・クリニックの内情はそのスタッフや一部の患者様しか知り得ません。しかし、競合相手の情報を手に入れることができなければ対策を立てることはできません。そこで利用するのがインターネットを活用した分析方法です。まず、ホームページを閲覧してさまざまな情報を入手します。ホームページから得られる情報とは、院長の情報、診療・経営方針、診療時間、診療科目などがわかります。診療時間がわかればそこで差別化することも可能です。例えば、競合病院・クリニックの診療時間が17時まであれば、自身のクリニックを18時まで診療することで差別化できます。たった1時間の違いですが、仕事が終わって来院する患者様にとっては大きな違いになります。「あそこのクリニックは仕事が終わってから行っても間に合いそうだな」という患者様も多く、仕事をしている世代の患者様を獲得することができます。