診療圏の調査方法をわかりやすく解説


クリニックの新規開業において、事業主の医師が最も気になることといえば、患者様が来院してくれるのかどうかということでしょう。どのようにすれば患者様が来院してくれるのかというポイントは複数考えられます。本業である治療の技術、クリニックの雰囲気、スタッフの対応、クリニックの評判、適切な宣伝・広告がなされているか、そしてクリニックの立地です。

患者様は何か症状があればかかりつけ医へ受診します。その症状がかかりつけ医の専門とする科目でなければ近所で診察している病院やクリニックがないか探すでしょう。ここでポイントとなるのは「近所」ということです。患者様は一度受診すると何度か通院しなければならない可能性もあると考えるため、通院に負担とならない近所で病院やクリニックを探すでしょう。よっぽど治療に独自性があるか、評判がとても良くなければ患者様は基本的には遠方から訪れることは少ないといえます。よって、開業予定地において1日にどれくらいの来院患者様の人数が見込めるかということはとても大切になります。このような来院が見込まれる患者様のターゲット地域を調べることを「診療圏調査」といいます。

○診療圏調査の方法とは?

診療圏内調査を行ってくれる業者は複数あります。クリニックの開業を取り扱うコンサルティング会社、不動産会社、法律相談事務所、医療機器を取り扱う業者などが該当します。それぞれの業者は調査に関する得意分野が違うため、複数の業者で調査を依頼すると、全く違う調査結果となる場合があります。例えば、不動産会社ではクリニックの物件に関するデータ、医療機器を取り扱う業者では医療機器を卸しているクリニックなどに関するデータをもっています。

そのため、診療圏調査を依頼する場合は複数の異なった分野の業者へ依頼しましょう。
このように診療圏調査はさまざまなデータを用いて調査をしますが、一般的な調査方法の例をご紹介します。

①立地場所を仮定し、物件から半径500m圏内を一次診療圏、 500m~1km圏内を二次診療圏として設定します。一般的なクリニックでは、一次診療圏(徒歩10分以内)が来院患者の大半を占めます。専門性が高い科目では、二次診療圏も含めて検討します。

②診療圏となる地域の年齢別人口を収集し、出生数や死亡数、転入・転出人口、 世帯数や世帯構成といった情報を調査します。
これに加えて、エリア内の医療機関の状況を調べます。病院・クリニックの特徴について詳しく調査し、競合になり得るかを分析します。


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