医療法人の設立を考えている個人開業医にとって、設立に適しているタイミングは知っておきたいポイントの1つでしょう。
今回はさまざまな面から、個人開業医が医療法人を設立するのに適しているタイミングを解説します。
もしなかなか判断できず困っているという院長がいれば、ぜひ参考にしてください。
目次
医療法人の設立に適しているタイミングは3つの条件を満たしたとき
医療法人の設立に適しているタイミングは、1つの要素だけではなかなか判断できません。
以下の3つの条件が揃っている場合が、1番医療法人の設立に向いているタイミングだと言えるでしょう。
・院長の所得税率が40%以上の場合
院長個人の所得税率が40%を超えている場合、医療法人を設立することによって所得税だけでなく、住民税も節税することができます。
・将来的に多額の支出が予想されない場合
近い将来に住宅ローンを組んで住居を購入する予定、高額な学費を支払う予定などがない院長は、医療法人を設立することで法人退職金の積立など、使用できる経費がアップします。
・後継者がすでに決定している場合
クリニックの後継者がすでに決定している場合、医療法人を設立することで贈与税または相続税を節税することができます。
これらの条件をすべて満たしている場合、個人開業医はすぐにでも医療法人を設立するべきでしょう。
またもっと言えば、院長の子の進路が確定した場合、または子に後継者としてクリニックを継ぐ意思があると確認できた場合も、医療法人を設立するタイミングとしては悪くありません。
医療法人の設立はクリニックを開業して1年以上経過してから
クリニックが先ほど解説した条件を満たしていても、まだ開業して1年以上が経過していない場合、医療法人を設立するのは難しいので注意しましょう。
必ずしも1年以上経過していないといけないというわけではありませんが、1年未満では当局に申請しても受理されないケースがほとんどです。
その理由は、当局側が医療法人の設立について、“クリニックの経営状況が安定してからの申請”を前提にしているためです。
したがって医療法人を設立するには、クリニックを1年以上経営し、経営基盤をしっかり作り上げる必要があります。
まとめ
医療法人を設立するタイミングについて、さまざまな角度から解説しました。
開業から1年以上が経過しており、今回解説した条件を満たしている個人開業医は、今が1番医療法人を設立するのに適しているタイミングだと言えます。
医療法人の設立には数々の申請手続きがあり、開始から設立の完了まで半年近くの期間が必要になるため、該当する個人開業医は早めに段取りを組んでおきましょう。