MS法人の設立時によくある失敗について解説します!


MS法人は、本来節税や新たな事業展開など、医療法人にとって良い効果をもたらせてくれる営利法人です。
ただ、設立時にミスを犯してしまうと、MS法人の存在が医療法人の負担を大きくしてしまうこともあります。
今回は、MS法人設立時によくある失敗について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

MS法人設立時によくある失敗①従業員に転籍を拒否される

医療法人の中には、医療事務の委託先をMS法人にするために、従業員をMS法人に転籍させようと考えるところがあります。
ただ、このケースでは、従業員の“転籍拒否”が発生することが多いため、注意しましょう。
もし、転籍拒否が発生した場合、MS法人を設立したのはいいものの、思惑通りに業務委託ができず、設立や管理にかかるコストが無駄になってしまいます。
そのため、従業員を転籍させる場合は、必ずMS法人設立前に従業員の気持ちを確認しておかなければいけません。

MS法人設立時によくある失敗②事業展開の許可が下りない

医療法人の中には、医療法人ではできない事業をMS法人で展開し、組織全体の利益を上げようと考えるところも多いです。
ただ、事前に事業展開するための条件を確認しておかなければ、許可が下りず、あまり旨みのないMS法人が出来上がってしまいます。
例えば、MS法人が行える事業の1つに、派遣業が挙げられます。
派遣業を行うためには、20㎡以上の独立した構造の事務所が必要になりますし、そのために借りた賃貸物件が“居住用”である場合、派遣業を行うことは認められません。
このようなルールを事前に把握していないと、MS法人の存在は医療法人にとって大きな負担となります。

MS法人設立時によくある失敗③コンサルタントに言われるがまま設立してしまう

コンサルタントに言われるがまま、MS法人を設立してしまうと、本来設立するべきではないタイミングで設立してしまう可能性があります。
例えば、医療法人において、ある程度節税の目標は達成できている場合、すぐにMS法人を設立する必要はないと言えます。
また、MS法人に回せる人材が確保できない、あるいはMS法人において、展開する事業がまだまとまっていないというような場合も、決してMS法人を設立するタイミングとは言えません。

まとめ

MS法人設立時には、上記のような失敗がとてもよく起こります。
そのため、設立前には、MS法人設立のための準備はできているのか、本当にMS法人が必要で、今が設立すべきタイミングなのかを、しっかり整理することをおすすめします。
そうすれば、上記のような失敗が起こる可能性は低くなりますし、組織全体の節税効果、利益を大きくできる可能性は高くなります。


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