美容皮膚科における年間平均売上や経営戦略について


開業するクリニックの診療科によって、当然年間の平均売上は異なります。
では、美容皮膚科における年間平均売上は、一体どれくらいなのでしょうか?
また、美容皮膚科はどのような経営戦略を立てることで、年間平均売上の達成に近づけるのでしょうか?
詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

美容皮膚科における年間平均売上について

美容皮膚科における年間平均売上は、実際のところあまり明確ではありませんが、少なくとも数千万円単位であることは間違いありません。
なぜなら、美容皮膚科の開業医における年収は、1,500~4,000万円程度であるからです。
つまり、美容皮膚科は、非常に多くの売上が期待できる診療科だということです。
実際、近年は一般皮膚科や内科、泌尿器科など、他の診療科から美容皮膚科に転身する医師、クリニックも多くなっています。
また、入院患者さんなどが訪れることもないため、規則正しい生活リズムで多くの平均売上を達成できるというところも、美容皮膚科の特徴の1つだと言えます。

美容皮膚科の患者数から見る年間平均売上について

美容皮膚科の年間平均売上は少なくとも数千万円という話をしましたが、こちらは1日あたりの平均患者数を見ても、ある程度信憑性のある数字だと言えます。
美容皮膚科を含む皮膚科の患者数は、1日およそ80人であり、こちらを月単位にすると1,800人程度、月の売上にすると500万円程度となります。
つまり、年間売上は500万円×12で6,000万円程度となり、先ほどの計算と辻褄が合うということです。
もちろん、こちらは美容皮膚科だけでなく、あくまで皮膚科全体を含む数字であるため、すべての美容皮膚科における平均売上ではありません。
ただし、美容皮膚科は自由診療もある程度採り入れていることを考えると、前述の6,000万円よりも年間平均売上が高くなることは十分にあり得ます。

美容皮膚科が年間平均売上を達成するための経営戦略について

美容皮膚科で行われる診療には、救急性がありません。
また、定期的に実施する診療も多く、訪れる患者さん1人1人とは比較的長い付き合いになります。
そのため、美容皮膚科が年間平均売上を達成するためには、開業医が医師としての技術だけでなく、人間性も評価されるように努力しなければいけません。
どれだけ高度が技術を持っていても、定期的に通いたいと思わせる人間性がなければ、患者さんは離れてしまうことが予想されます。
具体的には、丁寧な言葉遣いで、細やかな気配りを持って患者さんと接することが重要です。
もちろん、美容診療を中心に取り扱う診療科のため、患者離れを防ぐためには、クリニック自体や開業医の清潔感も意識しましょう。
そして、美容皮膚科が年間平均売上を達成するためには、診療だけでなく、さまざまな商品の販売にも着手する必要があります。
例えば、化粧水や美容液などのドクターコスメ、あるいは美肌効果、ダイエット効果などが期待できるサプリメントを販売すれば、年間平均売上の達成に大きく近づくことが期待されます。

人気の施術を導入することも必要不可欠

先ほど、美容皮膚科が年間平均売上を達成するには、医師の人間性を向上させたり、商品の販売に着手したりする必要があると解説しました。
ただし、こちらはあくまで診療内容が充実していることは前提の話です。
そのため、人気の施術を押さえた上で、積極的に導入することも忘れてはいけません。
特に導入すべきなのは、医療脱毛とシミ治療です。
2020年の初め頃から、医療脱毛の患者数は急増しています。
一時期は、低単価のエステ脱毛に患者さんが流れている傾向にありましたが、コロナ禍を境に医師やクリニックの従業員が、SNSで医療脱毛について発信する機会が増え、医療脱毛への敷居は下がっています。
よって、美容皮膚科の診療強化における足がかりとして、医療脱毛を採り入れるもしくは強化するのはおすすめです。
また、年間平均売上を達成している美容皮膚科は、そのほとんどがシミ医療の導入・強化も行っています。
その理由としては、治療結果が目に見えてわかりやすく、患者さんにおすすめしやすい上に、患者さんが仕上がりに納得してくれやすいメニューであるからです。
医療脱毛とシミ治療だけで、1つの施術部屋あたり300~500万円の月間収入を獲得している美容皮膚科もあるため、未導入の場合はなるべく早く着手しましょう。

美容皮膚科における理想的な内装や設備環境について

美容皮膚科が年間平均売上を達成するためには、院内の清潔感を意識するとともに、理想的な内装、設備環境を作り上げることも大切です。
まず心掛けたいのは、皮膚疾患の方が多く訪れることを考慮して、入口は自動ドア、スリッパではなく靴のまま入るというような、患者さんがクリニック備品に触れないで済む設備環境です。
また、診療室や処置室には、当然スタッフが使用できる手洗い場を設置し、治療の際に脱衣をすることも考えられるため、誤って開けてしまっても大丈夫なように、扉の内側にカーテンをつけるといった配慮も必要です。
その他、患者さんにおける肌の悩みなどの会話が漏れないように、診療室は防音構造にしたり、院内BGMのボリュームに配慮したりすることも大切です。

夏場は特に経営に力を入れるべき季節

美容皮膚科を含む皮膚科は、特に夏場の経営に力を入れることで、年間平均売上を達成できる可能性がアップします。
なぜなら、夏場は患者様が増加するシーズンであり、患者数でいうと平均的なシーズンに比べて、1日あたり30人前後は増えることが予想されるからです。
こちらの理由としては、まず夏場が皮膚の弱い方にとって厳しい季節であることが挙げられます。
暑い時期には汗をかきやすく、汗疹や水虫、かぶれといった症状に悩まされる方も増加します。
また、夏場は肌を露出する方も多くなる季節であり、意識してシミなどを隠したい女性も多くなります。
ちなみに、夏場以外でいうと、花粉症などで鼻が荒れやすい3月前後も、美容皮膚科が経営に力を入れるべき季節だと言えます。

美容皮膚科におけるマーケティングについて

美容皮膚科におけるマーケティングで意識したいのは、患者さんに選ばれるホームページを作成することです。
具体的には、患者さんの知りたいこととホームページの情報をマッチさせることを重視しなければいけません。
患者さんが知りたいことと言えば、例えばクリニックの治療内容や料金、治療期間やドクターの実績などの情報が挙げられます。
ただし、口コミを掲載する際には注意が必要です。
医療広告のガイドラインにおいて、美容皮膚科を含むクリニックのホームページに治療内容、治療効果に関する患者さんの体験談、口コミの掲載は禁止されています。
また、口コミの代わりに患者さんの写真を掲載する場合も、ビフォーアフターの写真であれば、限定解除の要件を満たす必要があります。
そのため、体験談を体験談としてではなく、Q&Aなど切り口を変えたコンテンツとして掲載するなどして、誘因性がないと判断されるような適切なホームページを作成することも意識しなければいけません。

まとめ

ここまで、美容皮膚科の年間平均売上や、平均売上を達成するための経営戦略を中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
美容皮膚科は、比較的平均売上の高い診療科ですが、他の診療科とは違い、サービス業の色が非常に強いです。
そのため、技術のみを追求しすぎると、患者の心を掴めず、平均売上が伸び悩んでしまう可能性が高いため、こちらの点は留意しておきましょう。


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