ms法人設立の際、役員の選任は慎重に!


クリニックの中には、ms法人化を設立するにあたり、上層部になる人員が足りないという事情を抱えている所もありますよね。
中には、自分の家族に役員・理事長になってもらう場合もあるでしょう。
ですが、この選択は一歩間違えると大変なことになってしまいます。
なぜでしょうか?
今回は、その理由をお話します。

目次

ms法人設立で注意すべき人材選出の理由

ms法人化するクリニックは、基本的に医療法人の設立が済んでいることがほとんどです。
別個の会社のように扱われますが、基本的な経営者や母体は変わらないことになると考えて下さい。
そうなると誰が上層部になっているのか、気になりませんか?
通常の会社の場合だと、事業が複数あったり別会社を経営したりしていても、大元の経営者に関わりのある人が就任していますよね。

しかし、ms法人の場合、2つの法人を同じものと考えてしまうのは危ないのです。
なぜかというと、それはそれぞれの法人設立の目的にあります。
医療法人はあくまでも公益性を重視することを目的とした法人格があり、ms法人は多岐に渡る事業を通して利益を得ることを目的としています。

2つの法人格は、明確に目的が違っていますよね。
それなのに、2つの法人を同一人物が代表しているとどうでしょうか?
医療法人の「非営利」という部分に対して、明らかにおかしいことになりますよね。
このような事態を避けるために、人員選出に関してはルールが設けられ、慎重に行われるようにされているのです。

ⅿs法人設立による節税効果もやり過ぎに思われる可能性が

ms法人の設立の際に懸念されているのは、法人格上の利益相反だけではありません。
役員等の役職に家族を就任された場合にも、問題になることがあります。
例えば、節税効果の最大のメリットである、所得分散から考えてみましょう。
所得分散ができると、所得控除を利用することができ、課税対象額を少なくすることが可能になります。
これは、嬉しいメリットになるでしょう。

しかし、このメリットを受けたいがために、家族に役職に就任してもらうのはどうでしょうか?
法人の目的や事業内容等を把握しているならば、納得できる部分もありますが、そうでないとこの仕組みを利用するためにあえて行っていると思われてしまいますよね。
さらに、すでにクリニック等で重要なポジションとして働いている場合に選任してしまうと、意図的に選任していると思われてしまいます。
この場合も、利益相反だと捉えられてしまいますから、絶対に避けるようにしましょう。

まとめ

今回は、ms法人設立に際して、慎重に役員を選ぶべき理由をお話ししました。
医療法人化もしている場合は、それぞれの法人格に反する場合に該当する可能性がありますので、該当者に関しては慎重に選定すべきです。
さらに、親族を役員に選任する場合も、事業内容に適した形の人選であるかがポイントになるでしょう。
反対に、ms法人から将来的に医療法人化を目指すパターンでも同様ですから、共通の注意事項として覚えて下さい。


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