開業医は診療科を問わず、後継者不足に悩まされています。
ですが、後継者問題というのは単純な内容ばかりではありません。
その中には、跡継ぎがいても継がせたくないという思いを抱えている開業医もいるのです。
今回は、とある歯科の開業医が抱える、跡継ぎがいないこと以外の諸問題にフォーカスを当ててみましょう。
目次
歯科の開業医が抱える経営事情~跡継ぎがいない以上の問題とは?~
とある地域の歯科の開業医には、決して跡継ぎがいない訳ではありません。
自分の娘も歯科医として活躍しており、候補者としては存在しているのです。
ですが、後継者以上の課題が、自分のクリニックにあったのです。
それは、地域医療における課題にあると言って良いでしょう。
都市部とは異なり、地方になると地域ごとの歯科医の重要性は高くなりますよね。
仮に、あるエリアに1つしかない歯科クリニックが閉院した場合、そこに受診していた患者さんは別のエリアのクリニックに行くしかありません。
そうなると、別エリアのクリニックが従来からの患者さんと新規の患者さんで、業務がパンクしてしまうこともあり得ます。
また、歯科医も高齢化が進んでおり、業務量増えたとしても、万全にこなせない可能性がありますよね。
このような事情を知ると、自分のクリニックの位置づけが分かります。
今回のケースの歯科医も、高齢になりつつあります。
自分のクリニックがエリア内における生命線だと考えると、容易に閉院することができませんし、娘に引き継がせるのも気持ちとして難しいことが分かりますよね。
自分でも切迫している状況を、自分の娘に引き継がせたいと思うでしょうか?
このことが、開業医の抱えている問題なのです。
今後の歯科の開業医を取り巻く現状~跡継ぎがいないどころか若手医師が来ない~
高齢化が進んでいるのは、開業医だけではありません。
患者さんも、地方に行けば行くほど、高齢化が進んでいますよね。
この問題の解決には、開業医に跡継ぎがいないというより、若手の医師が来てくれないという事情も関わっているのです。
若手医師が来ない事情は多様にありますが、現地で業務を行っている医師からすると、早く助け船が欲しい状態です。
今後の課題は、後継者問題の回避以上に、若手の医師が働きやすい、地方にも来てくれるような体制作りになることは間違いないでしょう。
まとめ
今回は、ある歯科の開業医の事例を取り上げて、跡継ぎがいないこと以外の諸問題についてご紹介しました。
跡継ぎがいたとしても、自分と同じような働き方をして欲しくないと思う開業医は少なくありません。
その現状を打開するには、そもそもの医師数を増やすことが求められます。
マンパワーが不足している状況は、地方だとどの地域も同じですから、働きやすい環境整備への改善が急務になります。