クリニックを建築するにあたって、トイレ工事は重要なポイントの1つです。
トイレが患者さんにとって利用しやすいものでなければ、クリニックの魅力は半減するといっても過言ではありません。
ここからは、どうすれば魅力的なトイレをつくることができるのかについて解説したいと思います。
目次
まずは構造を確認すべき
クリニックのトイレ工事をするにあたって、重要なポイントとなるのが便器です。
便器はトイレにおけるメインの設備であり、設置する際のスペースももっとも多いです。
また、建物の構造によって排水の向き、排水管の高さが違うため、それぞれに適した便器を設置しなければいけません。
つまり、クリニックのトイレ工事では、まず建物の構造を確認しなければいけないということです。
こちらをおろそかにしてしまうと、選んだ便器が設置できなかったり、排水がうまくできなかったりという問題が生じ、患者さんにとって非常に使い勝手の悪いものになってしまうため、注意が必要です。
動きやすさが快適さを生む
クリニックのトイレ工事では、便器の大きさと残りのスペースとのバランスも考慮する必要があります。
例えば、サンプルをしっかり確認し、設置するものの大きさを決定したにも関わらず、いざ設置してみると思っていたよりも大きく、トイレ内が狭く感じるというケースは少なくありません。
また、便器が大きすぎると、トイレ内の細かいところまで清掃するのも困難になることが予想されます。
そのため、どのような便器が良いかだけでなく、どのような便器であればトイレ内で動きやすいかも考える必要があります。
もっと言えば、トイレを利用する方の性別や年齢も考慮して、それぞれに適した広さにすることも重要です。
トイレに工事における具体的な箇所ごとのポイント
では、クリニックにおけるトイレ工事では、他にどのようなポイントを押さえればいいのでしょうか?
汚れない工夫をする
長い間清潔に使えるトイレを作るには、まず汚れがつきにくい便器を選びましょう。
また、床にはなるべく水に強い床材を使用するべきです。
あまり目には見えませんが、トイレの床は尿や手洗い時の水などの水分を含みやすく、耐水性が低いものだとすぐ見た目が悪くなってしまいます。
臭いと湿気を抑える工夫をする
クリニックのトイレは密閉された空間であるため、臭いはこもりやすいですし、湿度も高くなりがちです。
そのため、必ず換気扇は設置しなければいけません。
また、常に換気しやすい環境を作るために、換気扇は清掃が容易なものを選ぶようにしましょう。
そして、壁には調湿や消臭などの効果が期待できる壁材を用いることをおすすめします。
適度な明るさを保つ
トイレの照明は、なるべく明るい方が良いです。
なぜなら、明るい方が清掃の際汚れを逃しにくいですし、健康チェックもしやすくなるからです。
また、さまざまな患者さんの要望に応えられるよう、何段階にも明るさを変えられるタイプの照明を設置することも検討しましょう。
収納スペースを確保する
トイレで使用するものに関しては、できるだけトイレの中に収納したいところです。
しかし、トイレットペーパーや掃除用具、洗剤など、トイレで使用するものは意外と多く、前もって収納場所と収納するものを考えておかなければ、後からスペースを確保するのは難しくなります。
また、トイレットペーパーを便器に座った状態で手に取れるように工夫すれば、トイレは患者さんにとってより快適な空間になるでしょう。
バリアフリーについて
高齢の方や小さなお子さんの患者さんが訪れるクリニックでは、バリアフリーを意識したトイレ工事をすることも考えなければいけません。
具体的には、以下のポイントを押さえて工事を行います。
できる限り広いトイレにする
高齢の方は、どうしても広めのスペースがないと座ったり立ったりすることができません。
また、手すりを設置することも考えると、できる限りトイレは広くすべきです。
ドア付近に工夫をする
バリアフリーを意識したクリニックのトイレ工事では、トイレの中と外の段差をなくすことも重要です。
また、高齢の患者さんが中で転倒してしまったときに備え、ドアは外開きかもしくは引き戸タイプにすることをおすすめします。
トイレまでの動線を工夫する
バリアフリーを意識するのであれば、トイレそのものだけでなく、待合室からトイレまでの動線にも工夫しましょう。
あまりに待合室からトイレまで距離があると、その移動が高齢の患者さんの負担になる可能性があります。
また、待合室からトイレまでの動線はできるだけまっすぐにし、待合室から見てトイレのドアが真正面に来るようなレイアウトにするのが望ましいです。
まとめ
トイレはあくまで、クリニックにおける1つの設備です。
しかし、クリニックの良し悪しを左右する重要な設備であることに違いはなく、なおかつ工事を実施する際のポイントも山ほどあります。
また、建築するクリニックの構造によっては、理想のトイレにできる場合とできない場合があるため、当然建築計画に注力することも忘れてはいけません。