クリニックの各種外壁材におけるメリットとデメリット


クリニックの外壁に使用される外壁材にはさまざまな種類があり、それぞれ機能性や価格、メンテナンスの頻度等の違いを持っています。
では、これからクリニックを建築する方は、一体どの外壁材を選べば良いのでしょうか?
ここからは、各種外壁材における特徴、メリットやデメリットについて解説します。

目次

モルタル

セメント、砂、水を混ぜて柔らかくしたものをモルタルといいます。
一般的には、セメント1に対し、砂を2~3の割合で混ぜ、そこに水を加えて練り上げたものです。
日本のクリニックにおいては、ポピュラーな部類に入る外壁材であり、他の種類よりもデザインの自由度が高いのがメリットです。
また、セメントが含まれていることにより、耐火性、耐震性、さらには耐久性にも優れています。
一方で、モルタルにはひび割れという大きな欠点もあります。
外壁にひび割れが発生すると、雨水が中に入り、室内の雨漏り、あるいは構造部分の腐食の原因となってしまいます。
そのため、クリニックの外壁にモルタルを使用するのであれば、5~10年くらいの頻度でメンテナンスをし、上記のようなクリニック被害を防がなければいけません。
ちなみに、モルタルの塗装にかかる費用は、1㎡あたり1,500~4,000円程度とされています。

サイディング

サイディングは、現在日本で一番ポピュラーと言っても過言ではない外壁材です。
一般的には、セメント製や金属製のものを指すことが多いです。
具体的には、外壁に貼る仕上げ用の板材で、一番のメリットはやはり施工が簡単という点です。
また、耐火性や遮音性、耐震性に優れているため、低価格ながら良いパフォーマンスを発揮してくれます。
工場生産のため、品質が安定しているところも嬉しいポイントです。
しかし、サイディングは板と板を繋ぎ合わせる際、コーキング剤を使用するため、亀裂等の劣化が早めに出てきます。
そのため、他の外壁材よりもメンテナンスの頻度が高いのはデメリットだと言えます。
ちなみに、コーキング剤の亀裂の他にも、以下のような劣化が見られる可能性があります。

・サイディングボードの反り
・サイディングボード自体が剥がれる
・チョーキング(触れたときに白い粉が付く) など

タイル

石や土、粘土を約1,300℃の高温で焼き固めたものがタイルです。
タイルを採用すれば、他の外壁材にはない独特な高級感や重厚感を得ることができます。
デザインも豊富で、クラシックやモダン、ナチュラルといったように、好みに合わせたものを設置できるのも魅力です。
また、タイルの一番のメリットは、メンテナンスをほとんど必要としないところです。
タイル自体が非常に耐久性のある素材であるため、1度設置すれば、10~15年はそのままの状態で問題ありません。
ただし、そのようなタイルにももちろんデメリットはあります。
1つは、設置費用の高さです。
同じ面積でも、価格はサイディングの数倍以上になる可能性があるため、注意してください。
そして、素材自体は他の外壁材と比べて強いものの、下地材のモルタルにはあまり弾力性がありません。
そのため、揺れを吸収できず、地震の発生時には剥がれたり破損したりする可能性は高くなります。

ALC

発泡剤で多孔質化した軽量気泡コンクリートのことをALCといいます。
こちらは、Autoclaved Light-weight Concreteの略称で、サイディングのように板状のものを壁にはめ込んで設置するため、施工がしやすく、断熱性や耐火性にも優れています。
近年は、さまざまなデザインのものが販売されているため、戸建て住宅や、商業ビル等に使用されるケースも多いです。
ただ、ALC自体には、非常に水に弱いです。
そのため、クリニックに採用する際は、しっかり仕上げ材で防水対策をする必要があります。
また、雨漏りのリスクも他の外壁材と比べて高いため、設置の際はパネルの繋ぎ目におけるコーキングを入念に行う必要があります。

どの外壁材がおすすめなのか?

クリニックの外壁にどのようなことを求めるかによって、おすすめの外壁材は変わってきます。
以下を参考にしていただければ、自身にピッタリの外壁材が見つかるでしょう。

・メンテナンスの楽さを重視する方におすすめの外壁材:タイル、ALC
・価格の安さを重視する方におすすめの外壁材:モルタル、サイディング(窯業系)

ちなみに、デザインを重視して外壁材を決定したいという方は、各種外壁材が与える印象の違いを把握しておきましょう。

・モルタル:さまざまな仕上げ方法で重厚感、高級感を出すことが可能
・サイディング(窯業系):洋風、和風、モダンなどのデザインを自由に選べる
・タイル:もっとも高級感が感じられる
・ALC:他のものに比べると、あまりデザイン性は高くない

まとめ

ここまで、クリニックの各種外壁材における特徴、メリット・デメリットについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
どの外壁材にも一長一短はありますが、重要なのは院長先生の重視するポイントに沿ったものを選ぶことです。
もちろん、価格の安さやデザイン性だけで選ぶと、後々問題が出やすくなってしまうため、バランスを考えて選ぶことも重要です。


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