MS法人は医療法ではなく会社法に基づいた法人のため、設立に必要な手続きは基本的に一般の会社と同じです。
ただ1つ1つの手続きにおいて、MS法人ならではの注意すべき点があります。
MS法人の設立で特に重要となる手続きについて解説しますので、設立を検討している場合はぜひポイントを押さえるために目を通してください。
目次
MS法人の設立において業務目的を決めることは重要な手続き
MS法人を設立する際には、法人の形態を決定したり、資本金を決定したりとさまざまな手続きが必要です。
そんな手続きの中でも特に重要なのが、MS法人の業務目的の決定です。
MS法人が可能な業務の種類は、医療法人とは違いとても幅広いです。
したがってMS法人の業務目的には、MS法人が行えるすべての業務を網羅しておくことをおすすめします。
つまり実施する予定の業務だけでなく、将来的に実施する可能性がある業務はすべて網羅して、業務目的を決定するべきだということです。
直接的な医療業務以外の業務を網羅しておけば、MS法人設立後に新しい活用方法を思いついた場合、柔軟に対処しやすくなります。
MS法人には可能な業務が多いにも関わらず、設立時からわざわざ業務内容を限定する必要はありません。
MS法人の設立において代表・役員の決定も重要な手続き
業務目的と並んで、MS法人設立の際に重要な手続きとされるのが代表・役員の決定です。
代表・役員の決定において避けなければいけないのが、医療法人とMS法人の代表を同一人物が務めるということです(医療法人の場合は理事長)。
医療法人とMS法人は利害相反の立場なため、医療法で定義されている剰余金分配禁止に抵触してしまう場合があります。
また両者の代表が同一人物だと、取引をする際に“特別代理人”という人物を選任しなければいけません。
特別代理人は、医療法人が他の法人の相反する取引をする際に選任される人物のことです。
取引をする度に特別代理人を選任するのが非常に面倒だというのも、医療法人とMS法人の代表を同一人物にしない方がいい理由です。
医療法人の理事はMS法人の代表を兼務することが可能ですが、建物の賃貸借などの手続きが面倒になるため、こちらもあまり兼務しないことをおすすめします。
まとめ
今回紹介したのは、MS法人設立の手続きにおいて、特に注意する項目です。
手続きは他にもたくさんあり、余裕を持って進めているつもりでも焦りがちになることは否めません。
MS法人の設立において1番してはいけないことは、焦ってポイントを押さえられないことです。
しっかりと医療法人にとってメリットとなるように、焦らず1つ1つ手続きをクリアしていきましょう。