医療法人の役員における退職金の額はどうやって決める?


医療法人の役員が退職する際に支給される退職金について、皆さんはどれくらいのことをご存じですか?
医療法人の役員における退職金について把握しておくことは、医療法人の経営状況を安定させるにあたってとても重要なことです。
今回は医療法人における退職金の決め方、退職金における問題について解説します。

目次

医療法人の役員における退職金の額は3つの要素から弾き出される

医療法人の役員における退職金の額は、以下の3つの要素を掛けることによって算出されるのが一般的です。

・最終の役員報酬(月額)
退職する直前に役員が受け取っていた役員報酬のことです。

・役員として医療法人に在籍していた期間
役員として医療法人に在籍していた期間には、個人開業医として活動していた期間を含まないので注意しましょう。

・功績倍率
役員の退職金を決める際に用いられる倍率のことです。
医療法人では、理事長に3倍、常務理事に2倍、平理事に1倍が適用されるケースが一般的です。
通常の企業では、理事長と同じ立ち位置となる代表取締役の功績倍率が2倍とされるケースが多いですが、医療法人の理事長は医師という立場も兼任しているため、その分代表取締役よりも功績倍率が高くなっています。

この3つの要素を使用して、最終の役員報酬が200万円、役員として医療法人に在籍していた期間が25年、功績倍率が3倍の理事長における退職金の金額を弾き出してみましょう。
この場合、理事長の退職金は以下のように弾き出されます。

200万×25×2=1億5,000万円

医療法人の退職金における問題

医療法人では、退職金の額の決め方を把握していても、退職金に充てられる資金を用意できていないケースが散見されます。
いくら退職金の決め方がわかっているからといって、医療法人に資金残高がなければ意味がありません。
複数の役員が退職することになった場合、十分に資金が用意できていないと、退職金を捻出することによって医療法人の経営状況は一気に圧迫されます。
そのようなことにならないように、医療法人は1つの対策として、生命保険を活用した退職金の積立などを早めに実践しておくべきでしょう。

まとめ

医療法人における退職金の額の決め方について解説しました。
退職金の決め方についてよく理解できていなかったという方は、ぜひ今回解説したことを覚えておきましょう。
また退職金は医療法人にとってとても大きな支出となるため、早めに資金を準備しておくことが大切だということも心に刻んでおくべきでしょう。
自身のライフプラン、事業承継の時期なども視野に入れながら、適切な戦略を実行していくことが重要です。


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